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患者から暴言・暴力4割 広島市内の医療機関経験 '09/5/16

 ▽警官OB雇い自衛策も 安田女子短大調査

 広島市内の医療機関が患者の暴言や暴力行為に悩まされている。安田女子短大(安佐南区)の調査では、回答のあった医療機関のうち四割強が近年、暴言・暴力行為を経験。退職警察官を雇い入れるなど自衛策に踏み切る病院も増えている。

 安田女子短大の大友達也准教授(42)=医療社会学=は昨年六〜八月、六百五十一施設にアンケートを送り、二百三十一施設(35・5%)から回答を得た。うち百施設(43・3%)が暴言や暴力行為を受けていた。かかりつけの患者以外も頻繁に訪れる病院に限ると、三十九施設のうち二十七施設(69・2%)に上る。

 暴言や暴力行為の内容は、「待たせたから治療費は払わん」と大声を出す▽保険請求に都合のいい診断書を書くよう脅す▽待ち時間や治療費に腹を立てて職員の胸ぐらをつかむ―などだった。

 大友准教授は、医療機関で「患者さま」という呼び方が広まったことが、一部の患者にゆがんだ権利意識を生んだと分析。「医療費の自己負担が増えた二〇〇三年ごろから、暴言や暴力行為が増えている」とも指摘する。

 広島市民病院(中区)は昨年から、「相談員」として県警OBを雇い入れ、トラブルの対応に当たらせている。広島大病院(南区)も二年前から、同様の「防犯調査役」のポストを設けた。県医師会と県警は昨年七月、院内暴力の追放を訴えるポスターを作り、医師会の会員に送付している。

 広島大病院で防犯調査役を務める豊田貢さん(61)は「患者のごね得は許さない。一方で、待ち時間が長引く際には声を掛けるなど、患者の立場に立った応対が予防に役立つ」と話している。(衣川圭)

【写真説明】院内暴力の追放を呼び掛ける張り紙を紹介する広島大病院防犯調査役の豊田さん




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