同志社大学大学院アメリカ研究科およびアメリカ研究所では, 世界6か国から学者をまねき、7月4日5日の二日間にわたり、国際シンポジウム「グローバリゼーションと日本文化」を開催することになりました。概要およびプログラムは以下のとおりです。また、シンポジウムに先駆け7月1日から、「アメリカのなかのJAPAN展」と題し、アメリカにしかない「日本文化」の展示会をおこないます。1日と4日には、アメリカ生まれのスシの無料試食会もあります。アメリカそして世界の第一線で活躍する日本研究の人類学者 が集まります。どうかこぞって御参加ください。入場無料、申し込み不要です。
また、第2日目のシンポジウム終了後(5日土曜日)、講演者、パネリストなどと参加者の皆さまとの交流を深めていただきたく、レセプションを開催いたします。こちらのほうは申し込みが必要です。このメイルの最後でご案内させていただきますので、どうかお気軽にご参加ください。
同志社大学大学院アメリカ研究科/アメリカ研究所
池田啓子
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同志社大学アメリカ研究所・大学院アメリカ研究科
国 際 シ ン ポ ジ ウ ム
International Symposium: Globalization and Japanese Culture
「グローバリゼーションと日本文化:地域研究の新しい地平を求めて」
2003年7月4日(金)― 5日(土)同志社大学今出川キャンパス
【 4日 講武館104番教室、5日 明徳館1番教室、至誠館会議室 】
近年進行しているグローバリゼーションは特定の地域や集団そして国家を超えた人、物、情報の交流を促し、様々な興味深いトランスカルチュラルな現象を創
出している。このような世界的趨勢は、これまでの地域研究(area
studies)のありかたに根本から再検討を求めている。「アメリカ」や「日本」などのように地理的な位置や国という単位によって定義されてきた従来
の地域研究の対象は、今や世界のいたるところに存在する。このようなトランスナショナル/超地域的な現象についての理解を深めるためには、研究対象地域
や専門分野を超えた学術的コラボレーションが必須である。
このシンポジウムは、日本文化のグローバリゼーションの諸問題を、世界の第一線で活躍している文化人類学、社会学、心理学、社会・文化史などの研究
者を招き、従来の地域研究の枠組みをこえた学際的な視点から検証し、トランスナショナルな『知』を構築するための国際的なネットワークをつくることを目指している。グローバリゼーションは、今まで、アメリカニゼーションや西洋の文化帝国主義、中心と周辺、文化の画一化とローカリゼーションなど、『西洋
/アメリカ』を理論の中枢において語られることが多かった。このシンポジウムは、文化の表象・イメージと国家、フェミニズムとジェンダー、グローバリゼ
ーションとアメリカニゼーション、ローカリゼーションと文化変容、トランスナショナリズムと日常実践などの諸問題を日本文化のアメリカ参入という現象に
焦点を移し議論し、グローバリゼーション研究の新しい理論的/方法論的方向性を探究する。
第一部は、今日アメリカの第一線で活躍する三人の人類学者が、ハローキティ、寿司、メジャーリーグの日本選手という具体的なケースを分析する。第二部
は、世界の様々な地域で顕在化するトランスナショナルな日本文化を研究するイスラエル、シンガポール、韓国、アメリカ、オランダの研究者が、それぞれの
個別研究に立脚しながら、国際比較の視点を提供する。その後、アメリカ研究の研究者、日本のグローバリゼーション/トランスナショナリズムの研究者と第
一部の発表者を加え、議論を展開する。
第一部:『アメリカのなかの日本』Japan in the United States
7月4日(金) 講武館104番教室
15:00-15:10 司会 池田啓子 (同志社大学)
15:10-16:15 Christine Yano (University of Hawaii)
Kitty Does Dallas: American Marketing and Consumption
of Japanese Cute
アメリカのハローキティ:日本の『かわいい』文化とピンク・グロー バリゼーション
16:45-18:00 Theodore C. Bestor (Harvard University)
SUSHI: America Imagines Japan
SUSHI(寿司): アメリカのイマジネーションが創る日本
7月5日(土) 明徳館1番教室
11:00-12:15 William W. Kelly (Yale University)
Nomo, Ichiro, Matsui: Japan Enters the Major Leagues
野茂、イチロー, 松井:日本のメジャーリーグ進出
第二部:『世界のなかの日本』Japan in the World
7月5日(土) 至誠館会議室
14:00-17:30 ROUNDTABLE
Chair (議長)
池田啓子 (同志社大学)
Panelists (パネリスト)
Merry White (Boston University/Harvard University)―イタリアの日本製イタリア料理店
Eyal Ben-Ari (University of Jerusalem)―アジアの日本企業文化
Katarzyna J. Cwiertka (University of Leiden)―オランダのヌードル/高級日本料理
Leng Leng Thang (National University of Singapore)―シンガポールのアニメ・コスプレ
Leo Sang-Min Whang (Yonsei University)―韓国のビデオゲーム
Discussants (討論者)
田中雅一 (京都大学)
Matt Thorn (京都精華大学)
中川敏(大阪大学)
Theodore Bestor (Harvard University)
William Kelly (Yale University)
Christine Yano (University of Hawaii)
Hazel Carby (Yale University)
Michael Denning (Yale University)
Gavin Campbell (同志社大学)
Fred Nadis (同志社大学)
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「アメリカのなかのJAPAN展」
人、物、情報が縦横無尽に世界を駆け巡る21世紀。グローバリゼーションが進むなか、日本発のさまざまな文化が世界各地で興味深い展開をしています。日
本の文化が母国をはなれ、異国に根を下ろすととき、いったい何が起こるのでしょうか? アメリカ限定のハロー・キティグッズ、英語版コミックスや吹き替
えアニメ、日本人メジャーリーガーグッズ、アメリカ版のゲームソフト、アメリカで人気のある日本の食料品、アメリカのスシ学校のビデオ上映など、日本で
は知られていない海外での日本文化のあり方を、日米文化比較の説明を加えながら展示します。コンピューターやビデオなどのマルチメディアを使っての展示
もあり、実際に体験していただくことを通して理解をふかめていただくことを目的としています。7月1日と4日には、アメリカ生まれのスシの無料試食会も
あります。
*****レセプションのご案内
日 時: 7月5日(土)18:00 〜
場 所: 白沙村荘(橋本関雪記念館)京都市左京区浄土寺石橋町37 電話 (075)751−0446
白沙村荘の庭園で食前酒を楽しんでいただき、そのあと、隣接するイタリアレストラン「ノアノア」でブッフェスタイルのパーティを催します。
会 費: 7,000円 (学生、大学院生は3,500円)
参加を希望の方は、プログラム末尾の「レセプション参加申込み用紙」にご記入いただき、6月25日(水)までにアメリカ研究科・研究所事務室にFAX(075−251−3091)またはE-mail(ji- amekn@mail.doshisha.ac.jp)にてお申し込みくださるようお願いいたします。
レセプション参加申込み用紙
[氏 名]
[大学・会社(機関)名]
[連 絡 先]掾@ E-mail
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参加者プロフィール
第一部:講演 『アメリカの中の日本』
Theodore C. Bestor
ハーバード大学人類学部教授。1983年スタンフォード大学でPh.D.
取得。コロンビア大学、コーネル大学で教鞭をとった後、現在に至る。スタンフォード大学から出版された著作Neighborhood
Tokyo
(1989)は、ロバートE. パーク賞、および有沢広美記念賞を受賞。日本の寿司がグローバル化するプロセスを生産と文化の相互作用という視点から分析する意欲作、Global
Sushi は近日、カリフォルニア大学から出版の予定。
William W. Kelly
イェール大学人類学部教授。べスター教授とともにアメリカの日本研究を代表する論客。1980年ブランディス大学でPh. D.
取得後、同年からイェール大学で教鞭をとり現在に至る。歴史人類学の分野で多くの著作があり、特に日本の農村の人類学的歴史研究で知られている。近年
は、大阪・神戸の都市部にフィールドワークの舞台をうつし、日本のプロ野球の歴史と現在を研究。阪神タイガースの歴史的エスノグラフィ、Hanshin
Tigers and the Practice of Professional Baseball in Modern
Japanは、近日刊行の予定。
Christine Yano
ハワイ大学人類学部準教授。ハワイ大学でPh.D,取得後、ハーバード大学ライシャワー日本研究所、ポストドクトラル・フェローをへて、ハワイ大学助教
授となり、現在に至る。専門は日本の大衆文化。日本の演歌をセンチメント、ジェンダー、国家の枠組みから研究したTears of
Longing: Nostalgia and the Nation in Japanese Popular Songはハーバード大学出版から刊行されている。現在は、美空びばりのファン研究や、コロンビア大学のアロン・フォックス教授と共同で世界の「カント
リーミュージック」の比較研究をすすめている。
第二部;ラウンドテーブル・ワークショップ 『世界の中の日本』
パネリスト
Merry White
ボストン大学人類学社会学部教授。1980年ハーバード大学でPh.D.取得。現代の日本社会について多くの著作がある。代表的なもの
は、Material Child: Coming of Age in Japan and America,The Japanese
Educational Challengeそして The Japanese Overseasなどがある。近年は日本の食文化を研究、たとえば、イタリアの日本のイタリア料理というねじれたトランスナショナル現象について等、興味深い研究を展開している。特に今年は京都で日本の喫茶店文化を歴史と現在の両面から探求するフィールドワークを行っている。
Eyal Ben-Ari
エルサレム大学社会学人類学部教授。1984年ケンブリッジ大学でPh.D.取得。シンガポールなどアジアにおける日本の企業文化を研究したJapan
in Singapore: Occurences and Cultural Flows(2000)、日本の保育園をエスノグラフィしたBody
Project in Japanese Childcare: Culture, Organization and Emotion
in
Preschool (1997)や、Brian Moranらとの共編、Unwrapping
Japan(1992)など現代の日本について多くの著作がある。近年は、日本の自衛隊でのフィールドワークも行っている。
Katarzyna J. Cwiertika
ライデン大学・日本/韓国研究所研究員。日本の筑波大学で修士号を習得後、ライデン大学で1999年Ph.D. 取得。日本の食習慣を20世紀前半の近代化との関わりから分析する社会・文化史研究や1990年代に顕著になった日本食の西洋伝播を人類学的なフィール
ドワークでアプローチする研究などで知られている。編著, Asian Food: The Global and the Local(2001)は、アジアの食文化とグローバリゼーションの問題を扱っている。近年には、韓国にも興味を広げ、日本の占領下の食料生産と消費の
変遷についての研究を進めている。
Leng Leng Thang
シンガポール国立大学・日本研究学部助教授。芸術・社会学部副学部長。1997年、イリノイ大学でPh.D. 取得。シンガポールと日本の家族の三世帯関係の研究で多くの論文があり、特に日本でのフィールドワークに基づいたモノグラフ、Generation
in Touch: Linking the Old and Young in a Tokyo Neighborhoodは2001年にコーネル大学から出版されている。また、一昨年は、シンガポールで働く日本の女性についてのビデオ作品
The Second Waveを製作した。近年は、Elizabeth Maclachlanと共同で、シンガポールの若者のあいだで流行っている日本アニメのコスプレを研究している。
Leo Sang-Ming Whang
延世大学心理学部教授。1992年ハーバード大学でPh.D.取得。専門は、社会認知心理学とインタラクティブ・テクノロジイー。近年は、インターネッ
トゲームなどのサイバースペースに関わる青少年の心理学の諸問題に焦点をあて研究を展開している。日本のアニメやテレビゲームなどの大衆文化のアジア進
出に関心が深く、特に、韓国における日本のゲーム文化の拡大のプロセス、そして韓国の青少年に与える心理的影響について興味深い分析をしている。
お問合せ・申込み先:
同志社大学アメリカ研究科・研究所事務室
〒602-8580 京都市上京区今出川通烏丸東入
TEL:075-251-3931/FAX:075-251-3091
http://www.doshisha.ac.jp/
http://www.ameken-doshisha.info/index.htm
Keiko Ikeda, Ph.D.
Professor
Graduate School of American Studies
Center for American Studies
Doshisha University
Kyoto, Japan 602-8580
Phone: 81-75-251-3916, -3930
Fax: 81-75-251-3091