2009年5月16日13時49分
会見で桜井誠一・神戸市保健福祉局長と話し合う矢田立郎市長(左)=16日午前、神戸市中央区、西畑志朗撮影
「今回の新型インフルエンザは、季節性インフルエンザに近い症状であり、治療薬も有効。冷静に対応してほしい」
神戸市の矢田立郎市長は16日午前9時前から開いた記者会見で、こう呼びかけた。
15日、神戸市環境保健研究所による詳しい検査で、新型インフル感染の疑いが強まって以来、市は情報収集や関係先への連絡に追われた。
厚生労働省には同日午後11時ごろ連絡し、16日午前1時からは最初の会見を開いた。これと並行して、市は感染の疑いのある男子生徒に外出を控えるよう要請し、生徒や家族に渡航歴を問い合わせたり診察した医師から症状などを聞き取ったりした。
その結果、神戸高校では今月8日ごろからインフルエンザとみられる症状が流行。渡航歴のない生徒の間に感染が広がっている疑いが強まった。医師から同様の診断を受けていたことがわかった別の生徒2人には、市が急いで市指定の病院へ入院するよう促した。
午前4時から再び開いた市の会見では、白井千香・保健福祉局予防衛生課長が「このようなケースはほとんど想定していなかった」と話した。
午前7時からあった市の対策本部員会議では、感染が認められた際の休校や、保育所や高齢者通所施設の閉所など9項目を決定した。
会議中には矢田市長が中座し、舛添厚労相と電話で会談。厚労省と市にホットラインを設けることが決まった。
その後、学校側から別の生徒17人が体調不良を訴えていると報告が入ると、市はあらためて状況を説明した。