2009年5月13日
講談社、集英社、小学館の出版大手3社と大日本印刷などは13日、中古書籍販売大手のブックオフコーポレーションの発行済み株式の28.90%を取得すると発表した。苦境が続く出版業界での生き残りをかけ、新刊本を定価で販売する出版社が、ライバル視してきた中古本市場を取り込む。
出版3社は4.29%ずつ、大日本印刷は丸善などグループ企業2社を含め計16.03%を、ブックオフの筆頭株主である日本政策投資銀行系のファンドなどからそれぞれ買い取る。株式譲渡日は20日。金額は明らかにしていない。
出版社側は「新刊と中古本市場が協力し、出版業界全体の繁栄につなげたい」、ブックオフは「今後の展開は、株主の各社と話し合っていく」としており、具体的な提携の内容はこれから協議する。
ブックオフは、全国922の店舗網を使って中古本を安く買い取り、安く販売してきた。新刊本の売れ行きの鈍りの一因とも指摘され、著作権の保護をめぐり、出版社と対立したこともあった。
出版社側が資本関係を構築したことにより、こうした問題についてブックオフに一定の影響力を持つことになった。ブックオフの店舗網を新刊本販売に活用できるかどうかも検討するとみられる。
ブックオフは、07年に不正経理問題が発覚して経営が悪化。08年に政投銀系など二つのファンドが14.45%ずつ株式を取得していた。(内山修)
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