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【衝撃事件の核心】犯人が15時間も現場に居座ったのは…浮かび上がる世田谷一家殺害事件との共通点 (2/5ページ)
凶器は玄関付近に落ちていた鉄製のスパナとみられ、頭蓋骨(ずがいこつ)が割れるほど頭を何度も殴られていた。さらに、喜保子さんの遺体のそばにはかわいがっていたという子猫が首を絞められ、死んでいた。
一家は喜保子さんと4人兄弟の5人家族。夫は10年以上前に他界した。長男と四男は別居しており、雅樹さんと勲さんと3人暮らしだった。
蟹江署捜査本部は、喜保子さんの胃の内容物などから犯行時間を5月1日午後9時から10時ごろと推定している。勲さんは同日午後8時ごろに勤務先から帰宅したが、すぐに外出。自宅には喜保子さんしかいなかったとみられる。
雅樹さんは午後9時半ごろ、勤務先のケーキ店を出て10時前に帰宅。和室で犯人と鉢合わせになり、襲われたようだ。その後も犯人は現場に残り、日付が変わった2日午前2時すぎ、泥酔状態で帰った勲さんが玄関で靴を脱ごうとしたところを背後から襲いかかったという。
捜査本部によると、勲さんは犯人ともみ合いになった後に意識を失った。意識を取り戻したときには両手首をコードで縛られ、粘着テープで口をふさがれた上、上着で目隠しされたという。
「もう帰ってくれ」。ようやく口のテープが外れた勲さんは犯人にこう懇願したが、犯人は「まだやることがある」と現場に居座り続けた。
夜が明けると、新聞配達員や心配して訪ねてきた雅樹さんの同僚も呼び鈴を鳴らした。勲さんはその度に「出ていいか」と尋ねたが、犯人は「だめだ」と拒否、頭から布団をかぶせられたという。
喜保子さんと雅樹さんを惨殺した犯人は、勲さんにとどめを刺さなかった。犯行現場に居合わせ、顔も見られている可能性が高いのに…。
証拠隠滅?われに返った?
凄惨な事件現場で交わされた会話。勲さんには犯人と交渉する余地が残されていたようにもみえる。
捜査本部の調べに対し、勲さんは犯人について「一瞬しか見えなかったが、見覚えはない」と話しているという。