下町の初夏の風物詩、台東区・浅草の三社祭が15日、幕を開けた。おはやし屋台などが街を練り歩く名物「大行列」を見物しようと、大勢の観光客らが集まった。【田村彰子】
大行列は午後1時、東京浅草組合前(同区浅草3)を出発。笛や太鼓のおはやしの後に、木遣(きや)りや白鷺(しらさぎ)の舞などの行列が続き、雷門通りや仲見世を通って浅草神社まで歩いた。通り沿いで白鷺の舞が始まると、「すごい」「きれい」などと歓声が上がった。
また、浅草神社では、都無形文化財で五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する田楽の一種「びんざさら舞」も奉納された。板橋区、会社員、清水京子さん(50)は「毎年、白鷺の舞を楽しみに見に来ている。祭りが始まると夏が来るなと感じます」と笑顔を見せた。
祭りは17日までの3日間。2日目の16日は、正午から氏子町会の神輿(みこし)が町に繰り出す。最終日には、神社から3基の本社神輿が発進する「宮出し」(午前6~8時)が、2年ぶりに行われ、祭りは最高潮を迎えるが、今年は、社務所の建て替えなどのため祭りに使えるスペースが少なく、入場規制が行われるため、観客はほとんど近づけない。3基の神輿は宮出しの後、各町会に引き渡され、浅草を巡った後、宮入りして祭りは終わりとなる。
〔都内版〕
毎日新聞 2009年5月16日 地方版