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鳩山総務相、日本郵政・西川社長にNO! 菅義偉氏が猛反発 自民党再び紛糾か

5月16日2時19分配信 産経新聞

 6月下旬の株主総会で任期切れとなる日本郵政の西川善文社長の進退をめぐり、政府・与党で一触即発のにらみ合いが始まった。「かんぽの宿」の譲渡問題を追及してきた鳩山邦夫総務相が西川氏の再任阻止に動き出したのに対し、元総務相の菅(すが)義偉(よしひで)自民党選対副委員長は「衆院選前に政局の引き金を引くのか」と猛反発。麻生太郎首相は沈黙を守り続けるが、日本郵政は役員人事を決める指名委員会を来週に予定されており、自民党で内紛が再び火を噴く可能性もある。

 「日本郵政では不透明な事柄がドンドンおこなわれ、企業としてガバナンス(統治)の問題もある。株主総会で(西川氏の社長続投を決める)議決が行われても総務相の私が認可しない限り効力は発生しない」

 鳩山氏は15日の記者会見で西川氏の自発的な退任を暗に促した。民主、国民新、社民の3党が同日、かんぽの宿問題で西川氏を特別背任未遂罪などで東京地検に刑事告発。鳩山氏には西川氏を追い込むチャンスと映ったようだ。

 かんぽの宿問題への対応をめぐり、鳩山氏の西川氏への不信感は決定的となった。政府が全株式を所有する特殊会社の日本郵政は、総務相が株主総会が議決した人事に認可権を持つ。これまで鳩山氏は円滑な社長交代に向け財界などに根回しを続けてきたが、事態が動かぬことにいらだちを募らせ、最近は「進退をかけて再任を阻むつもりだ」と漏らしているという。

 これに首相の腹心である菅氏が待ったをかけた。菅氏が西川氏と親しいこともあるが、それ以上に社長交代が自民党に与える余波を恐れる。先の郵政解散は自民党議員にとってトラウマとなっており、今年2月は首相の「郵政見直し発言」でも党内は紛糾した。もし社長が交代すれば「改革後退」などと厳しい批判を招き、中川秀直元幹事長ら党内の反主流派や民主党に利することになるからだ。

 一方、首相は沈黙を続けているが、鳩山、菅両氏の対立に内心穏やかでない。首相が西川氏の“金融偏重路線”に危機感を持っているのは確かだが、衆院選前に郵政民営化をめぐる対立をあおるのは得策ではないと判断し、鳩山氏には「政治的な騒ぎにしないでくれ」とクギを刺したという。

 だが、「大見え」を切った鳩山氏がこのまま矛を収めるとも思えない。与野党を巻き込み、郵政民営化の是非が再びクローズアップされる可能性もある。

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最終更新:5月16日2時19分

産経新聞

 

鳩山邦夫

鳩山邦夫(はとやまくにお)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 福岡県第6区 自民党
プロフィール:
1948年9月13日生 初当選/1976年 当選回数/10回

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