魔法の瞳

は〜い、亜衣ちゃんです!!
今あたしは、ここメイド喫茶「ラポール」でバイト中。もちろん瞳先輩には内緒ですぅ。

今日は、ここの小さなステージで、あたしの初めてのショータイムがあるんで、ちょっと緊張気味。毎日、日替わりでメイドさんたちが何か特技を見せるんですけどぉ、今日はついにあたしの番っ!!
もちろんネタは……催眠術ですっ!!

今日は、術にかかりやすそうな女の子のご主人様たちが沢山来てらっしゃるので、失敗してドジっ娘にはならないで済みそうですぅ!!ラッキーぃ!!

「ほらぁ、グーーンっと体をそらしてぇ……あなたは硬い硬い硬ぁああい鉄で出来た橋になっちゃいましたよぉ……そおら、もっともっと体をそらしてぇ」
（大、大、大成功っ……この子、被暗示性高っ。頭だけで支えてる、スゴイ……ていうか、あたしの腕が凄いのかもぉ）



「さあ、あなたは可愛い可愛い猫ちゃんになりましたぁ……とってもお腹がすいています……そぉら、おいしいミルクが用意できましたよぉ」
（もうここまで来れば、何でもあたしの思うがままだわっ。ああ〜、この子にもっと何か凄いことさせたい…服を脱がせて……脱がせて……って、バイト首になっちゃやだしぃ……ガマンガマン）



「お疲れ様、いろいろとやって頂いたので喉が渇いたでしょう？」
「ラポール特製のオレンジジュースをどうぞ。おいしいですよぉ〜」

「……あ、いっけな〜い!!これお酒でしたぁ!!」
「ご免なさ〜い……あら、お顔が赤くなってきちゃって……これアルコールがとっても強いお酒だから……なんだか体もふらふらしてきてますよぉ……右に左に……ゆらゆら……ゆらゆら」
「頭もボーッとしてきたでしょう……ほらほら、酔ってきてもう椅子にきちんと座ってるのも辛いわねぇ……体中にアルコールが回って全身真っ赤っかですよぉ……ほらぁ」
（わ〜ホントに全身真っ赤。ジュース飲んだだけなのに。息もハァハァって……も〜ここで裸にさせて……させて……って、耐えるのよ亜衣っ!!）

「はい、そこまでっ!!実はこれは……本当にオレンジジュースですぅ!!」
「あたしが指を鳴らすと体が元に戻りますよ」
「はいっ!!」（パチン!!）
「ほら、もう気分もすっきりとしたでしょう。騙してご免なさいね。未成年はお酒飲んじゃ絶対ダメですよぉ……ウフフッ」



というわけで、初舞台は大成功。お客様の反応も良くて、オーナーからも週二でよろしくって言われちゃいましたぁ。ここバイト代がいいので、亜衣張り切っちゃいますぅ!!