2009年5月16日15時7分
新型インフルエンザの問い合わせに追われる発熱相談センター=16日午前11時33分、神戸市役所、西畑志朗撮影
厚生労働省は16日、国立感染症研究所での詳しい検査で、神戸市内の県立高校3年生の男子が新型の豚インフルエンザに感染していることを確認した、と発表した。検疫を除く国内で初めての発生。同じ高校に通う2人の高校生も、神戸市環境保健研究所の検査で、陽性反応が出ている。政府は同日午後、対策本部の幹事会を開き、国内対策をこれまでの「第1段階(海外発生期)」から「第2段階(国内発生早期)」に切り替えた。
厚労省によると、3人とも渡航歴はなく、国内で、人から人への感染が広がっている可能性がある。この高校ではほかにも17人が体調不良を訴えており、感染の広がりを調べる疫学調査は5月10日にさかのぼって実施する。
朝日新聞の取材では、県立神戸高校の生徒らだという。
政府の方針は今後、水際での食い止め重視から、地域での感染拡大防止を主眼にした段階に移る。
舛添厚労相は16日午後、記者会見し、「国民の皆さんは正しい情報にもとづき、どうか冷静に対応頂くようお願いします」と呼びかけた。
舛添厚労相は会見で「患者と濃厚接触した方には外出自粛の要請を行うことになる」と話した。今後については、「まずは正確な情勢把握を急ぎたい」とする一方、国内対策について「感染の状況に応じて、臨機応変に適切にやっていきたい」と述べた。
神戸市は16日午前7時、矢田立郎市長を本部長とする「新型インフルエンザ対策本部」を開催。3人が通う神戸高校がある同市灘区と、東灘区や中央区の全市立小中高校と幼稚園の計75校園を22日まで7日間、休校・休園にすることを決めた。