Osaka-cinema-cafe

cinecafe.exblog.jp

トップ | ログイン

semスキン用のアイコン01ポチの告白~朱に交われば赤くなるsemスキン用のアイコン02

  

2009年 04月 13日

いや~、エンターテイメント。
しかし、社会派映画。
しかも3時間の長さ。
でも、その長さを感じさせない。

大型ロードショー公開とはなりませんが、
徐々に公開劇場が増えてきていると思いますが、
ぜひとも、見てもらいたい映画です。

映画「ポチの告白」



あらすじ・

交番勤務の実直な巡査・タケハチ(菅田俊)は、
刑事課長の三枝に認められて刑事に選抜昇進。
娘も生まれ、順風満帆の生活が始まるかに見えた。
しかしその実直さゆえ三枝のどんな指示にも盲目的に従い、
やがて後輩の山崎(野村宏伸)と共に警察犯罪の主犯格に
なっていく。
そんな彼の前に、ある日警察犯罪を追っている飲食店経営者の
草間と新聞記者の北村が現れる。
邪魔な2人を排除するよう、タケハチは三枝に指示され……。
(gooより)

原案が警察の不正にするどい追求をしてきた、ジャーナリストの
寺澤有さんの話なので、めちゃめちゃリアリティがあります。

僕が思い出すのは、神奈川県警の不祥事かな。
あれから、警察の不祥事がどんどんあからさまに
なってきたように思えます。



警察では上司の命令は絶対であり、同僚または警察は家族である。
こんな状況では、不正は正せないし、ずるずると悪に
染まることにも、罪悪感を感じることもないままに
なるんでしょうね。

警察犯罪を真正面から描いた問題作。
しかも、この映画、善良な警察官が一人も出てこない。
皆、利権や犯罪に手を染めている。

また、政治家や検察、裁判所といった、公民で習った
三権分立がまったくなされていない現実にも驚くばかりだ。

「朱に交われば赤くなる」

この言葉通り、無骨で正義感の塊のようなタケハチが
悪に染まっていく過程。

そして、「権力が人を変える」
警察という権力を得た人は、いかに変わっていくのか、
この辺りも見ていて興味深い。

また、悪の権化のような刑事課長の三枝(後に署長へ昇進)の
なんとも狡賢く、利用する時、捨てる時、その非情な人間性も
また面白い。


野村宏伸も静かな悪を、まだ完全にはなりえてませんが、
躊躇しながらもはまっていくその過程がいいですね。


笑ってしまったのが、アウトロー作家の宮崎学が
裁判官の役で出ていたこと。
捌かれる立場が多いけど、裁く立場としても居心地は
どうだったんでしょうかね


「無知は恥じることではない。
無知でいることに何も感じないことこそ、
恥ずかしいことである」

こんな言葉を思い出しました。

3時間という長い映画ですが、その長さを感じさせない
久々に見た骨太な社会派エンターテイメント。

怒りを感じるのか?
恐怖を感じるのか?
または絶望を感じてしまうのか?



人格が、権力が人を変えてしまうということで、
ドイツ映画の「es(エス)」を思い出しました。

こちらも人間心理の奥を描く、怖い映画でした

by fyamasan | 2009-04-13 04:50 | 邦画 | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://cinecafe.exblog.jp/tb/11314698
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
名前 :
URL :
非公開コメント
削除用パスワード設定 :