2009年5月16日13時31分
感染者が見つかった神戸高校には、職員らがつぎつぎとかけつけた=16日午前10時33分、神戸市灘区、筋野健太撮影
「今日は自宅待機してください」。神戸高校では16日午前5時から、保護者への電話連絡に追われた。
同日未明から教職員が続々と硬い表情で学校に詰めかけた。この日は土曜で授業はないが、部活動で登校する生徒がいるため電話連絡を急いだ。
校長によると、15日の欠席者40人中、インフルエンザと診断された生徒が11人いた。校長は「生徒も不安に思っているだろうし、教職員でしっかりフォローしたい」と話した。同校の女子生徒(16)によると、ここ数日間は始業前、担任が「インフルエンザがはやっています。体調が悪い人はいませんか」と生徒に尋ねていたという。
兵庫県教育委員会によると、神戸高校ではインフルエンザ感染で学級閉鎖などの状況は起きていなかった。同校は午後に職員会議を開き、今後の対応を決めるという。
同校の生徒3人は神戸市中央区内の病院に入院している。感染症患者らの専用病棟で、一般患者とは隔離されている。ほかにも、生徒17人が体調不良を訴えており、この病院で検査するという。
影響は様々なところで出ている。神戸市灘区の中学校は急きょ、17日から2泊3日で予定していた3年生の修学旅行の延期を決めた。東京や富士山を訪れる予定だった。担任らが16日午後から、3年生190人を含む全生徒503人の家庭を訪問し、延期を伝える。3年の女子生徒(15)は「ショックです」と話した。
神戸市は、15〜17日の日程で同市で開かれる予定だった「神戸まつり」について一部、中止を決めた。17日は、約7千人が参加する予定だったメーン行事のパレードや総踊りなど、ほぼすべての催しを中止する。また、16、17の両日、同市中央区の神戸メリケンパークで開催が予定されていた神戸エコカーフェアも中止が決まった。