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吹雪の先に…(前)

GWという事で今日から4日間連続でSSを投下いたします。
今日と明日は2ヶ月前に書いてある方に送ったSSを投下いたします。
悪堕ちというよりは異形化モノで、B級ホラー映画を意識したシリアスな作品となっております。
それでは、二日連続でお楽しみ下さい。

オリジナル 肉体変化モノ


激しい吹雪が吹き荒れる夜、古ぼけた洋館。
その中で小柄な少年(高2)、陽奈多優(ひなたゆう)は『幼馴染』を追って走っていた。
「なんだってこんな事になんのさ…」
優は目の前を向けてただ走り続ける。

その日は楽しい修学旅行の2日目のはずだった…



来須高校の高校2年生は修学旅行でスキー場を訪れていた。
ほとんどの人間が皆楽しく雪上を滑り上げていた中、一人だけコメディのように転がっていた子がいた。
優の幼馴染、星川水無瀬である。 平凡よりちょっと上の優とは裏腹に、彼女は平凡より劣るくらいのドジっ子であった。
ころころ転がり落ちていく中、布の帽子が取れて彼女のちっちゃなツインテールがちょこんと見えた。
水無瀬は昔からスキーが得意な優とぶつかってしまい、二人はスキー場から離れていった。
「ほあーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」「きゃああああああああああっ!」


そしてスキー場とは離れた場所。 なんでそこまで離れたのかを説明するとキツイので割愛
優と水無瀬の二人はある意味ボロボロになっていた。
「ご、ゴメンね優君! 私がまたドジやって遭難しちゃった」
「いや、いいよ… ミナ一人が遭難するよかは大丈夫だよ」
優はそう言って水無瀬の優しくよしよし撫でる。 優は昔から水無瀬の事をミナと呼んでいる。みなせのミナだ。
頭を撫でられて水無瀬は潤んだ目で優を見つめた。
「う…そんな顔で見つめるなよ…… 別にお前が頼りない…とかじゃのうて…ひとりよか…」
「いつもいつもありがとう優君…」
「いいから…スキー場探そうぜ……」
優はスキー板を外してから立ち上がり、水無瀬のスキー板を外して彼女を抱きかかえる。
「ちょ!」
「心配するな誰も見てないさ」
優は水無瀬とスキー板を抱えたまま歩き始めた。
といってもスキー用の長靴のおかげで動きはどこかぎこちない。


水無瀬もなんとか立てるようになり、二人は一緒の方向を歩いていく。
その途中、一瞬だけ吹雪が起こる。 しかし一瞬の内だったので二人は気付かなかった。
そして二人がたどり着いたのはスキー場ではなく、どこか古ぼけた洋館であった。
「なんだって洋館なんだ? いくらなんでもこりゃあねえよ!」
優は予想できない状況にただただぼやくしかなかった。
「でも、ここで寒さを凌げれるかもよ優君♪」
白い大地を見飽きた水無瀬ははしゃいだ感じで優に言う。
彼女の顔を見た優は頭を掻いて洋館を見上げる。
「しかたないなあ、少しだけだぞ?」
「うん♪」
水無瀬は笑顔で頷いた。
水無瀬は古いものが優の次に大好きなのである。
そのため、古い洋館で一緒という状況を心の中で楽しんでいた。

何故か靴が丁度二人分あったので、優と水無瀬はとりあえず借りる事にした。
足首を曲げられないのは正直キツイ…

「とりあえず中に何かあるか調べよう」
「うん、そうだね! もしかしてここで寝泊りするかもしれないしね!」
「俺は嫌だぞ? ちゃっちゃか調べてここを出て、みんなと合流しよう」
「さー!」
てなわけで、二人は手分けして洋館内を調べる事にした。


洋館内を探索し、優はあるものを見つけた。 それは四人の遭難者。
一人目は趣味で雪山を登っていた19歳近くの綺麗な女性。 名前は高陽華
二人目は山に住んでいたというおっとりとした25歳のお姉さん。 名前は城野緑
三人目は優と同じように修学旅行でスキーに来ていた来須高校の生徒、水無瀬の友人(♀)。 名前は鹿取奏
そして四人目は家族でスキーに出かけていたと言う10歳の少女。 名前は藍那豊
「よりによって全員女性…」
優は肩を落とした。 男性がいたら心強かったのだが、男性は自分一人。それだけでも気が思いやられた…。
「たはは…19歳で山登りなんて無茶ゴリラだよね…」
「ここって家じゃないんですね…」
「ユーくんなんでここにいるのさ?」
「お兄ちゃん…ママとパパがどこにいるのか知ってる?」
四人の女性は一斉に口を開く。 疲れきった優にとってはそれは騒音のようであった。
「わ、わかりましたからちょっと寝かせて…」
優は個室のベッドで一息つこうとふらふらと歩き出した。

ベッドで寝るのは5分で十分だった。 彼の昼寝は5分から10分で住むのである。
(考えてみれば不自然だよな かたや登山でここに迷い込んで、かたや雪山で住んでたのにここに迷い、後の二人は言わずがな…
繋がらないレールを無理やり繋げた様な違和感… これは一体なんだ?もしかしてこの洋館が俺達を…
そんな事あるのか?空想じゃあるまいし、これは現実なんだ! 今は吹雪が止むまでどうするか考えなきゃ!頼れるのは俺だけなんだしな!)
優は非現実的な事を推測するのを止め、現実問題を考えてベッドから起き上がった。
今の彼は自分が男である事に深い重圧を感じている。 しかし、自分は男であると鼓舞するしかなかった。



一方、優とは別の方向の部屋を回っていた水無瀬は…
「ない…どこにも食料ない……」
と落ち込んでいた。 なぜかこちら側の各部屋には食料どころかガラクタすらもなかった。
キッチンは何故かなく、個室を回ってもベッドしかないという有様である。
連絡手段は持ってきてなかったので優に連絡する事も
水無瀬はふらふらと歩きながら最後の部屋のドアにたどり着いた。

その部屋は今まで回った部屋とは違って綺麗でとても暗く、不思議な部屋だった。
照明は四角を描くように四箇所に置かれた蝋燭だけで、床には魔法陣が金色で描かれた真っ赤なカーペットがある。
そして中央部には金色の不思議な光を放ちながら宙に浮かぶ暗い桜色の杖があった。
「な、なんだろコレ… どこかで見たような形だけど…」
水無瀬は杖に手を伸ばしてみる。 ちょっと怖いけど、これで何か出来るかもという軽い気持ちで手を伸ばしてみた。

スッ

一瞬の事だった。
「え?」
気付いた時には水無瀬はその杖を掴んでいた。
確かに手は伸ばしていたが、触ってはいなかった。 だが現に触ろうとした物を持っている。
水無瀬は不可解な現象に目を白黒させた。 これは神様の舌足らずだろうか?
そんな事を考えていたその時、杖から放たれている光が水無瀬を包み込み始めた。
「えっ!? 何コレ?」
金色の光が水無瀬を包み終えた時、彼女の無意識の中に何かが入り込んだ。
『何か』は彼女の脳内を支配し、肉体すらも支配していく。
それは一瞬で、水無瀬はそれに気付かぬまま意識すらも書き換えられていく。
これは全てこの光の中で起きた出来事であった。


数分後水無瀬を包んでいた光が消えていった。
光が水無瀬を包み込んだこの部屋の中央には先ほどとは違う衣服と金色のオーラを纏った水無瀬が立っていた。
その衣服は可愛らしいいわゆる『コスチューム』であるが、黒と紫などの暗めの色を基調としており、アクセサリは蝙蝠や髑髏や薔薇を模ったものが多い。
右手にはあの杖が握られており、唇には蒼色のルージュが塗られていた。
水無瀬はルージュを塗った己の唇を歪ませる。
「優ちゃん、私達がこの家で暮らせるように変えてあげる 優ちゃんの体をこの杖で変えてね♪」
水無瀬は邪悪さを秘めた笑みを浮かべてこの部屋を出て行った。 目標はもちろん幼馴染の優である。
(でも…この中には4人くらい人がいるようだね ふふ…この杖の力でわかる……)
まるで反応をキャッチしたレーダーを見るようにそれがわかる。 水無瀬は洋館内に人がいる事を知った水無瀬はまずそちらから変える事にした。
(この家の中にいる人たちはペットにしよっか?ペットやお手伝いにしたら丁度いいしね でもお腹減ったなぁ…)
無理もない。 スキー場に付いてから何一つ食べてなかったのである。
(精液が欲しい… ペ○スからどぴゅどぴゅ出てくるち○ぽみるく)
水無瀬は一瞬考える。 その時、水無瀬は自分がおかしな事を考えていた事に気付いた。
(え?精液が欲しい? 精液をまるで食べ物みたいに感じた? 精液は食べ物?精液は…食べ物……なぁんだ、当たり前のことじゃん)
その戸惑いも一瞬の内に消え去って、違和感ある言葉は当たり前のものへと変わった。
(私は淫魔の魔法使い だけどまずは精気を食べないと力がでないね、だから…)
水無瀬は舌なめずりして歩いていく。 気付かれないように気配は消しておこう。という事を考えながら。

水無瀬はあの光によって精を糧とするサキュバスに変えられていた。
今の彼女はこの洋館で優や元人間のペット達と暮らす未来図を思い浮かべていた。

コメント

[C808]

異形化のお話は、変化の描写の必要性から何故か三人称が多いですよね。
襲われる側からの視点による、一人称の展開って難しいんでしょうか?
  • 2009-05-03 23:29
  • 神代☆焔
  • URL
  • 編集

[C813]

>>神代☆焔様
一人称で展開されるヤツといえばmaledict様の奴隷生物ですね
異形化ではなくて改造モノですが、中々面白い内容でした

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Author:いじはち
別名 献血の紅
福岡在住の悪堕ち好きなふぬけ男
そしてアーノ馬鹿

悪魔娘とか
人外娘とか
ケモノとか
SDガンダムとか
トランスフォーマーとか
かっこいいスーパーロボットとか
特撮ものとかも好き。 めっちゃ好き


一番好きなキャラクターはサモンナイトクラフトソード物語2のアーノ
一番好きな悪堕ちヒロインはジブリール3のブラックアリエス
一番好きなトランスフォーマーはスターセイバー(トランスフォーマーV)
一番好きなガンダムはF91

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