いじはちの熱血最強
アニメ&特撮の感想と悪堕ちSSのブログ 通称『ねっさい』
Entries
魔王の花嫁(後)
サモナイSS後編です。
ディナってトランスフォーマーだったらダブルスパイかダブルフェイスみたいなキャラだと思う。 二つの姿を持ってる的意味で。
作品 サモンナイトシリーズ
対象 アメル(SN2)
レジスタンスと合流予定だったエアとアーノの魔刃使いコンビと、トウヤを倒すカギを握るアメルは合流地点に来る事はなかった。
合流時間から数時間経っても彼女達はレジスタンスと合流することなく、三名は行方不明扱いとなった。
それから数日後、メンバーのディナから一通の手紙が届いた。
『レジタンスリーダーのハヤト様
魔王トウヤさんの現在の所在地が判明しました 港から遠く離れたフラップ城です
トウヤさんは城の者を密かに全員殺害して部下の悪魔達とすり替えたようです
アメルさんとエア様とアーノさんは全員無事を確認いたしました
彼らが油断している隙に総攻撃を掛けましょう!
レジスタンスの天使ディナより』
「ディナって、誰の事ですか?」
調律者でレジスタンスの一員であるトリスはリーダーのハヤトに質問をかける。
リーダーのハヤトは手紙をポケットにしまい込んで答えた。
「一週間前に俺の仲間が保護した召喚獣…いや、天使の女の子だ
悪魔達に追われていたらしくて保護したんだが、あれからレジスタンスの一員になりたいって言ってレジスタンスに入ったんだよ
耳が尖ってたり尻尾が生えてたりと風変わりな天使で、ちょっと暴走しちゃう事もあるけど優しくて、敬語の多いいい子だ」
「そうなんですか…私の護衛獣、ハサハも優しい子です ディナちゃんとは対照的にちょっと控えめな感じだけど」
「それはさておき、その城に総攻撃を掛けようと思う」
ハヤトは気持ちを切り替えて、トリスに改まって言う。 トリスはハヤトの真剣な眼差しに唾を飲み込んだ。
「罠の…可能性は……」
「わからない、とりあえず後で全員に説明して志願者を募らせる リーダーであるオレも参加するつもりだ」
「では、早速ですがその攻撃に私も志願します」
「トリス、キミがか?」
「はい、人質の一人アメルは私の幼い頃からの親友です アメルは脆くて強い子です、だからこそ助けたい」
「だが、相手は一人で戦えるほど少なくはないぞ」
「それでも行くんです 友達だから」
トリスは心の強い眼でハヤトを見つめて答える。 今度はハヤトが唾を飲む番だった。
「わかった、君をサブリーダーとして任命する だけど、念のためにイグゼルドも連れて行け、それと志願兵は募らせる」
「ありがとうリーダーハヤト」
「よしてくれよ、なんだか恥ずかしい」
二人の温かいやりとりをそっと見守る影が一つ。
頭にウサギの様な耳を、腰にはふんわりとした柔らかい動物の尻尾を生やした和服の幼い少女。
両手には大きなガラスの玉を持った彼女の名前はハサハ。 トリスの護衛獣である。
ハサハはトリスの笑顔を見てにっこりと微笑んだ。
そして作戦当日、ハヤトとトリス達はトウヤ達がいるという城に乗り込んだ。 その中にはハサハも参加していた。
ところが全てが予想されていたのか、敵の罠は協力であった。
結果、乗り込んだメンバーは全員捕まってしまい、悪魔達に拘束されたまま玉座の間へと連れて行かれたのだった…
そして玉座の間。
トウヤが座っている玉座の前には桜色の髪の少女悪魔と、緑の髪の亜人悪魔が彼らを歓迎していた。
「ようこそ、魔王トウヤ様とアメルさんの結婚式へ 私はエア・コルトハーツ、トウヤ様にお仕えする悪魔の一人」
「ボクはアーノです トウヤ様におつかえするご主人さまの護衛獣です」
エアとアーノ、その言葉にハヤトとトリスはハッと反応した。
「エア、アーノ! 合流するはずだったお前達がどうしてトウヤと!?」
「あら、ネズミみたいなレジスタンスのハヤトさんってあなただったんですか? こんな地味ったれにつかなくて良かったなー」
エアはわざとらしく皮肉を言う。 その眼差しはまるで害虫を見下すような目。
そんなエアに向かって一人の女が声を上げた。 トリスだ。
「エアちゃん!私がわからないの!? 一緒にお芋を食べたトリスだよ!!」
「トリスさんもこの結婚式に来てたんですね やっぱりアメルさんが友達だからですか?」
「そうよ、友達だから… 友達だからアメルを助けに来た!!」
「助けに?」
トリスの目的を知ったエアは舌打ちをするような目つきでトリスを見る。
「馬鹿なニンゲンの女 トウヤ様の偉大さや悪魔の崇高さなんてまるでわかってない」
「何ですって!?」
「ニンゲンなんて蛆虫以下というのは本当の事だったってことがわかりましたよ」
エアは触りたくもないと言わんばかりにトリスと話すのをやめた。 アーノもつんとした眼差しでトリスを見つめる。
しかし、衝撃的な出来事はもう一つ…
「それでは、新郎新婦の結婚式を開催いたします」
ハヤトにとって聞き覚えのある声が響く。
声のした場所から魔王トウヤと一人の天使がゆっくりと歩んできた。
そして、トウヤは己のものとなった玉座に腰掛ける。 そして、天使はトウヤの前に少し離れた。
「トウヤ! …ディナ!?」
ハヤトの目に映った者、それはどちらも見覚えのあるものだった。
力に耐えられなかったかつての親友、心優しい少し風変わりな天使。
「あ、ハヤト様 あの手紙ちゃんと読んでくださったのですね?」
「ああ、読んださ! だが、これは一体どういうことだ!?」
「ホントの事を書いただけですが、こういう事なんです」
ディナはにっこりと微笑むとくるっと一回転する。 すると彼女の体が光り始めた。
ハヤト達はその光に耐えられず目を閉じた。
光が止み、ハヤト達は目を開く。 そこには小さな悪魔が立っていた。
水色のツインテールと尖った耳、紅い目はディナと同じだったが、衣服は白ではなく黒。
胸のハートマークの真ん中のチャックは開かれていて、胸が露出している。
背中には小さな悪魔の翼、腰には先端が鋭い黒い尻尾。
間違いない、どう見ても悪魔である。
「その姿は…」
「驚いた?これが私の本当の姿よ♪ 私はトウヤ様に仕えるスパイだったの」
「そんな……ウソだ…」
ハヤトは落胆した。 ディナがスパイだった事を信じるには時間が必要だったのだ。
絶望に満ちたハヤトの顔を見て、ディナは涼しい顔になる。 尻尾はくるんと一回転した。
「やっぱりニンゲンを騙すのは楽しいわね トウヤ様にご褒美貰わなきゃ♪」
「ディナ、告白もそのくらいにしろ 式が遅くなる」
「はいよ、それじゃあ新婦のご入場と行きますか エア、アーノ、アメルを起こしてくるのよ!」
「はーい!」「ハイです!」
エアとアーノはディナの言うとおりにアメルがいる部屋に急いだ。
そして、レジスタンスのメンバーは逆転できる行動をできることなくそれを見守るしかなかった。
(ん…)
「ルさん…アメルさん!」
淫液に濡れたベッドで眠っていたアメルはアーノの声で意識を覚醒させる。
(私は…エアさん達に……)
アメルはもう一回眠りたかったが、何故か無意識の内に起き上がった。
「おはようアーノちゃん、エアちゃん そろそろトウヤ様にこの身を捧げる時が来たのね」
アメルは妖艶な笑みを浮かべて二人に言う。 彼女の笑みを見たエアとアーノは頬を紅く染めた。
(え?「トウヤ様にこの身を捧げる」? 私何を言ってるの)
アメルは自分の言葉に困惑する。 しかし、体も口も自分のいう事を聞かないのか彼女らしかぬ言葉を吐く。
「はぁん…トウヤ様に前を貫かれるのを想像したらアナルが疼いちゃう…」
アメルの肉体は右の乳を揉みしだいて甘い声を上げる。 まるで自分は自分ではないという事を見せ付けるかのように。
アメルの精神は自分の体が勝手に動いている事に戸惑いを隠せずにいた。 しかも体は自然に動いて『前からそうだった』ように動いている。
(違う!これは私の考えじゃない そんな事思ってないのにどうして言ってしまうの!?)
式を望む肉体、それに戸惑う精神、まさに『体が勝手に動き出す』。
「さあ、二人とも記念日を飾る私の衣を準備しなさい」
「「ハイ」」
アメルは表情を変える事も出来ないまま二人に身を任せるしかなかった…
アメルが陵辱された後、ディナがアメルにかけた魔法。 それは第二人格を創る魔法だった。
その第二人格はアメルの影の部分を下地に構成された悪魔的な人格である。
この第二人格に肉体を支配させ、本人格を潜在意識内に閉じ込めば、その第二人格は望むがままにトウヤに体を授けるようになる。
二重の人格を持つディナだからできた事なのかも知れない。
そして…トウヤの花嫁が玉座の間に現れた。 後にはエアとアーノが付いている。
「アメル?……」
トリスは結婚式とは関係ないハーレム衣装を身に纏ったアメルを見て、顔を硬直する。
結婚式と言うのは花嫁は真っ白なドレスを身に纏うもので、いやらしい衣装を着るわけではない。
おそらくこれはトウヤかディナが考えた案なのだろう。
アメルが常識外れの事を行っている様を見てトリスはやりきれない思いに満ちていく。
露出の激しい衣装を纏っているアメルは無表情で目を閉じたままトウヤの前に歩み寄っていく。
アメルがトウヤの前に近づいた時、彼女はトウヤの前で跪いた。
彼女が彼に放った言葉はハヤトとトリスをいとも容易く絶望に陥れた。
「はぁん…トウヤ様ぁ…私アメルはトウヤ様のお嫁さんになります
そして、私はニンゲンをやめて悪魔に生まれ変わり、トウヤ様のお力になる事を誓います」
(いやぁ…私はそんな事誓ってない…誓いたくない…
そんな事誓っちゃ駄目! 悪魔に生まれ変わったらハヤトさんやトリスを…)
潜在意識内に閉ざされた本当のアメルは、自分の口から出てくる言葉を拒もうとするが何も起きない。
そんなアメルを無視するかのように彼女の肉体はトウヤと口付けを交わす。
唇のふれあいは次第に舌と唾液の深い交わりに変わっていき、そこから発する快感に溺れてアメルの肉体とトウヤはより深い快感を求める。
舌同士を舐め合ったり、歯や牙などを舐めていく。 二人はより高き快感を求めるために口同士を押し合う。
ぴちゃぴちゃとした淫らな音が二人を興奮させていく。 しかし、アメルの潜在意識は何もできないままそれを拒み続けるしかなかった。
「ぷはぁ…」
二人は口を寂しそうに離す。 離れた互いの舌からは唾液の糸がつっと引いていた。
アメルの肉体はディープキスで濡れた舌で舌なめずりして、挑発するようにハヤト達を見つめる。
「ふふっ、どうかしら私のキス? これは本当の気持ち、私はトウヤ様によって蛆虫から蝶に生まれ変わるの…」
「そんな…アメル!操られてるんでしょう!?」
トリスの必死な叫びにアメルの潜在意思は叫ぶ。 その声は決して届かないけど彼女は叫ぶしかなかった。
(トリスぅ! 助けて!!私はこんな事したくない!!)
「何を言ってるの? 操られてエッチなキスなんかしないしこんなこと言わないわ」
(違う!私は本当に…)
「さあ、トウヤ様… 興奮が冷めない内に召し上がれぇ…」
アメルは扇情的な声を出して下着を脱ぎ捨て、指で性器を広げる。 その性器は愛液でグショグショに濡れていた。
トウヤは彼女の密かな要求に答えるかのようにズボンを下ろして性器を露わにした。
貫かれた時、痛くないというのはおそらく嘘だろう。 トウヤと交わる事を望んでいたアメルでも、トウヤに貫かれた時には秘部から血が流れていた。
「処女膜を貫かれたのは少し答えたか?」
トウヤは玉座に座ったまま、背面座位でアメルを悦ばせながら彼女に問いかける。
「たしかに…んんぅ…痛かったけど、でも…はっイタいのも気持ちよくなってるんですぅっ!」
(駄目…感じちゃいけないのに……一方的に感じられてる トウヤの魔力がこっちにまでゆっくり入ってくる…)
『痛み』すらも快感として受け入れていくアメルの肉体にトウヤはにやりと笑う。
このまま性行為に望んだのもここに来たレジスタンス達に絶望を叩きつけるためだった。
ここで戦いのカギであり、レジスタンスの希望である聖女を眷属に堕とせばレジスタンスの気力に支障を来たす事ができる。
そして、レジスタンスのリーダーであるハヤトにあの時のトラウマを思い出せる事もできると思ったからである。
目論みは見事に成功し、ハヤトは何かを思い出しているような目で交わる二人を見つめていた。
トリスはアメルの名前を必死に叫ぶが、当のアメルは聞こうともせずにトウヤの熱いペ○スに夢中になっていく。
自分の内に閉ざされたアメル本人格は友の名前を必死に叫ぶが、それは届くはずはない。
トウヤはその光景を愉しみながらアメルの乳房を揉んでいく。
(もう…たえられそうにない…… 頭の中では、体のどこかでは「このままじゃだめ」って思ってるのに…気持ちいい…狂いたくなる)
やるせない思いと理性と本能のせめぎ合いがめぐり合いながら、アメルの本当の意思が、ディナによって創られたもう一つと同化し始めた。
一つになっている。というよりは肉体を操る人格に取り込まれていく感覚だった。
アメルの本当の意思と肉体が元の状態に重なった時、それは起きた。
(!? んぁぁぁん!ひっ!ひああああっ!! き、きもちいい、きもちいいよぉぉ!!)
意思に肉体が受けた快感が突き刺すように入ってきて、彼女を狂わせる。
一体何が起きたのかなど、アメルにはわからなかった。 わかるのは気持ちいいことだけ。
陰茎に貫かれる秘部から送られる快楽が、冷たい指先で揉まれる乳房から送られる快感が、アメルの聖女と人としての心に入り込んで犯す。
「はぁっ!んはぁ♪ きもちいい、きもちいいですぅっ あっあっああっ!!」
アメルは先程よりもいやらしく大きな声を上げてトウヤを求める。 もはや彼女はトウヤとその魔力の虜になってしまった。
快感に狂う親友を見て絶望に落とされるトリスは、激しく親友の名を叫ぶ。 その痛ましい姿をハサハは悲しい目で見ていた。
「お願い…目を覚ましてよぉ…アメル… アメルぅっ!!」
『元に戻った』お陰でトリスの声が届いたのか、アメルの人間としての意識がほんの少しだけ蘇る。
しかし、それと同時に彼女の肩と顔、そして腹部にタトゥーのような紅い痣が表れ始め、涙に濡れた蒼い瞳は真紅に染まっていく。
「ごめんねトリス… せっかく喋れるようになったのに、もう…トリスの名前を叫べない… 私、もう魔王様のモノになったから…
体で感じるの、この痣は魔王様の眷属になった証だって… だからトリスの声、もう届かないし感じられない…
あっ、はぁん、ふはぁ♪…もっと、もっと感じるの…この体が魔王様と同等になると思うともっと魔王様だけを感じちゃってる…
だから… ここで大人しく見てて、ニンゲンという名のうじ虫から悪魔という名の蝶になる姿を…はぁん♪
トウヤ様ぁ!もっと突いて突いてぇ! 私を悪魔に変えてぇ!!」
その瞬間アメルの人間の心は消えてなくなった。 トリスは絶句する。
それは永遠の別れのようで、言葉の全てがトリスにとって残酷なものだった。
ハヤトはアメルの言葉にデジャブを覚える。 救えなかった少女の人としての最後の言葉とよく似ていた。
「くっ、もうすぐ出るぞ…」
「はひぃ!私のおま○こに沢山だしてぇ!!」
「くっ…うあっ!…」
トウヤはほんの少しだけ耐えた声を出し、アメルの子宮に自分の精子を吐き出した。
ヒトを悪魔に変えるほどの魔力を持った魔精を…
魔王トウヤの精をその身に受けたアメルのカラダに変化が訪れる。
目は瞳孔と共に鋭くなり、耳までも尖っていく。
こめかみから丸みを帯びた角がにゅっと生え、腰からは蝙蝠のような翼が飛び出し、
お尻のあたりから尻尾が生えて、最後に爪が鋭く伸びて、角や翼や尻尾と同じ紫色に染まった。
性交と肉体変化の余韻でだらしなく舌を出している口から鋭い牙が覗く。
「はぁん…これが悪魔の力… 聖女なんかよりもすごすぎてまだ興奮が収まらない…」
アメルは見せ付けるようにハヤト達を見下す。
彼女の目には彼らがどう映っているのか、それは決まった事だった。
「ちょっとだけ、ウォーミングアップとでも行こうかしら?」
そう言ってアメルは手をハヤト達の前に突き出し、自分の中のマナを一気に手の平に集め、そのマナを一気に爆発させた。
一瞬にして結婚式会場である城は一気に崩壊し始めた。
瓦礫が崩れ、城の中の物は全て瓦礫の下敷となっていく。 あのベッドも何もかも崩れていく。
それはまるでリィンバウムに住む人間達のなれの果てを予言するかのような惨劇だった。
「ふふ…セックスの後の爆破魔法は最高ね…」
城一部であった瓦礫の上でアメルは微笑む。 他者の幸福を喜ぶものでなく、邪悪な快感。
ニンゲンの作った不要な物を破壊する快感は、性交ほどではないが気持ちがいい。 アメルは感覚的にそう感じた。
「全く…お前はいきなり何をするんだ…… これは閉幕のつもりか?」
アメルが瞬時に作った結界で一命を取り留めたトウヤは、頭を抱えて消極的にアメルに突っ込みを入れる。
強力な魔力を持った魔王でも、彼女の行動だけは読めなかった。
「いいじゃないですか ちゃんとみなさんに結界を付けたんだし」
「そうじゃない… まあいい……」
トウヤは目を回してぶっ倒れているディナやエアとアーノ等の味方を見てため息をつく。
確かに彼女達にも結界を付けたが、突然城が崩壊したため全員パニックになっていたんだろう。
ふとトウヤはアメルの両手を見つめる。 その手には二人の少女がいた。
「アメル、その二人はどうした?」
「ああ、これですか? この二人は私の友達です」
「そいつらをどうするつもりなんだ?」
「決まってるじゃないですか 二人を私達と同じようにするんですよ 私だって情はありますしね、殺すには惜しい人物ですし」
「なるほど、考えが俺そっくりだな…」
「当たり前です だって私はトウヤ様の妻、魔女なんですから」
ニッとした邪悪な表情をトウヤに見せて、アメルは転送魔法を発動した。
ここにいた悪魔達は一人残らず消え去って、この廃墟ではないどこかへと移動した。
そして、この廃墟には瓦礫しか残っていなかった。
いや、残っていたのはそれだけではなかった。
瓦礫に埋もれて死んでいたと思われていたハヤト達は生きていたのである。 そう、死者は誰一人いなかった。
「クソっ、あいつら… 俺達に情けをかけたのか?それとも遊び感覚でこんな事を…」
ハヤトは苛立ちを募らせて唇をかみ締める。 そんな事をしても無意味でしかなかったが、今はそうするしかなかった…
その後、トウヤへの怒りを飲み込んだハヤトは瓦礫に埋もれた仲間を探し始めて、レジスタンスのメンバー全員を発見する。
彼らはほとんど気絶しただけで、死傷者は誰一人いなかった。
しかし、大半のメンバーが無事だったにも関わらず、トリスとハサハが見つかる事はなかった…
これは魔王トウヤに心強い味方が加わり、ハヤトの心に暗い影をまた一つ落とす事になる事件の物語である。
END?
アメルって悪堕ちさせるとギャップ萌えが楽しめるいいキャラですよね。
アメルというキャラは大好きってわけでもないですが、悪堕ちさせる価値のある娘だと思います。
ディナってトランスフォーマーだったらダブルスパイかダブルフェイスみたいなキャラだと思う。 二つの姿を持ってる的意味で。
作品 サモンナイトシリーズ
対象 アメル(SN2)
レジスタンスと合流予定だったエアとアーノの魔刃使いコンビと、トウヤを倒すカギを握るアメルは合流地点に来る事はなかった。
合流時間から数時間経っても彼女達はレジスタンスと合流することなく、三名は行方不明扱いとなった。
それから数日後、メンバーのディナから一通の手紙が届いた。
『レジタンスリーダーのハヤト様
魔王トウヤさんの現在の所在地が判明しました 港から遠く離れたフラップ城です
トウヤさんは城の者を密かに全員殺害して部下の悪魔達とすり替えたようです
アメルさんとエア様とアーノさんは全員無事を確認いたしました
彼らが油断している隙に総攻撃を掛けましょう!
レジスタンスの天使ディナより』
「ディナって、誰の事ですか?」
調律者でレジスタンスの一員であるトリスはリーダーのハヤトに質問をかける。
リーダーのハヤトは手紙をポケットにしまい込んで答えた。
「一週間前に俺の仲間が保護した召喚獣…いや、天使の女の子だ
悪魔達に追われていたらしくて保護したんだが、あれからレジスタンスの一員になりたいって言ってレジスタンスに入ったんだよ
耳が尖ってたり尻尾が生えてたりと風変わりな天使で、ちょっと暴走しちゃう事もあるけど優しくて、敬語の多いいい子だ」
「そうなんですか…私の護衛獣、ハサハも優しい子です ディナちゃんとは対照的にちょっと控えめな感じだけど」
「それはさておき、その城に総攻撃を掛けようと思う」
ハヤトは気持ちを切り替えて、トリスに改まって言う。 トリスはハヤトの真剣な眼差しに唾を飲み込んだ。
「罠の…可能性は……」
「わからない、とりあえず後で全員に説明して志願者を募らせる リーダーであるオレも参加するつもりだ」
「では、早速ですがその攻撃に私も志願します」
「トリス、キミがか?」
「はい、人質の一人アメルは私の幼い頃からの親友です アメルは脆くて強い子です、だからこそ助けたい」
「だが、相手は一人で戦えるほど少なくはないぞ」
「それでも行くんです 友達だから」
トリスは心の強い眼でハヤトを見つめて答える。 今度はハヤトが唾を飲む番だった。
「わかった、君をサブリーダーとして任命する だけど、念のためにイグゼルドも連れて行け、それと志願兵は募らせる」
「ありがとうリーダーハヤト」
「よしてくれよ、なんだか恥ずかしい」
二人の温かいやりとりをそっと見守る影が一つ。
頭にウサギの様な耳を、腰にはふんわりとした柔らかい動物の尻尾を生やした和服の幼い少女。
両手には大きなガラスの玉を持った彼女の名前はハサハ。 トリスの護衛獣である。
ハサハはトリスの笑顔を見てにっこりと微笑んだ。
そして作戦当日、ハヤトとトリス達はトウヤ達がいるという城に乗り込んだ。 その中にはハサハも参加していた。
ところが全てが予想されていたのか、敵の罠は協力であった。
結果、乗り込んだメンバーは全員捕まってしまい、悪魔達に拘束されたまま玉座の間へと連れて行かれたのだった…
そして玉座の間。
トウヤが座っている玉座の前には桜色の髪の少女悪魔と、緑の髪の亜人悪魔が彼らを歓迎していた。
「ようこそ、魔王トウヤ様とアメルさんの結婚式へ 私はエア・コルトハーツ、トウヤ様にお仕えする悪魔の一人」
「ボクはアーノです トウヤ様におつかえするご主人さまの護衛獣です」
エアとアーノ、その言葉にハヤトとトリスはハッと反応した。
「エア、アーノ! 合流するはずだったお前達がどうしてトウヤと!?」
「あら、ネズミみたいなレジスタンスのハヤトさんってあなただったんですか? こんな地味ったれにつかなくて良かったなー」
エアはわざとらしく皮肉を言う。 その眼差しはまるで害虫を見下すような目。
そんなエアに向かって一人の女が声を上げた。 トリスだ。
「エアちゃん!私がわからないの!? 一緒にお芋を食べたトリスだよ!!」
「トリスさんもこの結婚式に来てたんですね やっぱりアメルさんが友達だからですか?」
「そうよ、友達だから… 友達だからアメルを助けに来た!!」
「助けに?」
トリスの目的を知ったエアは舌打ちをするような目つきでトリスを見る。
「馬鹿なニンゲンの女 トウヤ様の偉大さや悪魔の崇高さなんてまるでわかってない」
「何ですって!?」
「ニンゲンなんて蛆虫以下というのは本当の事だったってことがわかりましたよ」
エアは触りたくもないと言わんばかりにトリスと話すのをやめた。 アーノもつんとした眼差しでトリスを見つめる。
しかし、衝撃的な出来事はもう一つ…
「それでは、新郎新婦の結婚式を開催いたします」
ハヤトにとって聞き覚えのある声が響く。
声のした場所から魔王トウヤと一人の天使がゆっくりと歩んできた。
そして、トウヤは己のものとなった玉座に腰掛ける。 そして、天使はトウヤの前に少し離れた。
「トウヤ! …ディナ!?」
ハヤトの目に映った者、それはどちらも見覚えのあるものだった。
力に耐えられなかったかつての親友、心優しい少し風変わりな天使。
「あ、ハヤト様 あの手紙ちゃんと読んでくださったのですね?」
「ああ、読んださ! だが、これは一体どういうことだ!?」
「ホントの事を書いただけですが、こういう事なんです」
ディナはにっこりと微笑むとくるっと一回転する。 すると彼女の体が光り始めた。
ハヤト達はその光に耐えられず目を閉じた。
光が止み、ハヤト達は目を開く。 そこには小さな悪魔が立っていた。
水色のツインテールと尖った耳、紅い目はディナと同じだったが、衣服は白ではなく黒。
胸のハートマークの真ん中のチャックは開かれていて、胸が露出している。
背中には小さな悪魔の翼、腰には先端が鋭い黒い尻尾。
間違いない、どう見ても悪魔である。
「その姿は…」
「驚いた?これが私の本当の姿よ♪ 私はトウヤ様に仕えるスパイだったの」
「そんな……ウソだ…」
ハヤトは落胆した。 ディナがスパイだった事を信じるには時間が必要だったのだ。
絶望に満ちたハヤトの顔を見て、ディナは涼しい顔になる。 尻尾はくるんと一回転した。
「やっぱりニンゲンを騙すのは楽しいわね トウヤ様にご褒美貰わなきゃ♪」
「ディナ、告白もそのくらいにしろ 式が遅くなる」
「はいよ、それじゃあ新婦のご入場と行きますか エア、アーノ、アメルを起こしてくるのよ!」
「はーい!」「ハイです!」
エアとアーノはディナの言うとおりにアメルがいる部屋に急いだ。
そして、レジスタンスのメンバーは逆転できる行動をできることなくそれを見守るしかなかった。
(ん…)
「ルさん…アメルさん!」
淫液に濡れたベッドで眠っていたアメルはアーノの声で意識を覚醒させる。
(私は…エアさん達に……)
アメルはもう一回眠りたかったが、何故か無意識の内に起き上がった。
「おはようアーノちゃん、エアちゃん そろそろトウヤ様にこの身を捧げる時が来たのね」
アメルは妖艶な笑みを浮かべて二人に言う。 彼女の笑みを見たエアとアーノは頬を紅く染めた。
(え?「トウヤ様にこの身を捧げる」? 私何を言ってるの)
アメルは自分の言葉に困惑する。 しかし、体も口も自分のいう事を聞かないのか彼女らしかぬ言葉を吐く。
「はぁん…トウヤ様に前を貫かれるのを想像したらアナルが疼いちゃう…」
アメルの肉体は右の乳を揉みしだいて甘い声を上げる。 まるで自分は自分ではないという事を見せ付けるかのように。
アメルの精神は自分の体が勝手に動いている事に戸惑いを隠せずにいた。 しかも体は自然に動いて『前からそうだった』ように動いている。
(違う!これは私の考えじゃない そんな事思ってないのにどうして言ってしまうの!?)
式を望む肉体、それに戸惑う精神、まさに『体が勝手に動き出す』。
「さあ、二人とも記念日を飾る私の衣を準備しなさい」
「「ハイ」」
アメルは表情を変える事も出来ないまま二人に身を任せるしかなかった…
アメルが陵辱された後、ディナがアメルにかけた魔法。 それは第二人格を創る魔法だった。
その第二人格はアメルの影の部分を下地に構成された悪魔的な人格である。
この第二人格に肉体を支配させ、本人格を潜在意識内に閉じ込めば、その第二人格は望むがままにトウヤに体を授けるようになる。
二重の人格を持つディナだからできた事なのかも知れない。
そして…トウヤの花嫁が玉座の間に現れた。 後にはエアとアーノが付いている。
「アメル?……」
トリスは結婚式とは関係ないハーレム衣装を身に纏ったアメルを見て、顔を硬直する。
結婚式と言うのは花嫁は真っ白なドレスを身に纏うもので、いやらしい衣装を着るわけではない。
おそらくこれはトウヤかディナが考えた案なのだろう。
アメルが常識外れの事を行っている様を見てトリスはやりきれない思いに満ちていく。
露出の激しい衣装を纏っているアメルは無表情で目を閉じたままトウヤの前に歩み寄っていく。
アメルがトウヤの前に近づいた時、彼女はトウヤの前で跪いた。
彼女が彼に放った言葉はハヤトとトリスをいとも容易く絶望に陥れた。
「はぁん…トウヤ様ぁ…私アメルはトウヤ様のお嫁さんになります
そして、私はニンゲンをやめて悪魔に生まれ変わり、トウヤ様のお力になる事を誓います」
(いやぁ…私はそんな事誓ってない…誓いたくない…
そんな事誓っちゃ駄目! 悪魔に生まれ変わったらハヤトさんやトリスを…)
潜在意識内に閉ざされた本当のアメルは、自分の口から出てくる言葉を拒もうとするが何も起きない。
そんなアメルを無視するかのように彼女の肉体はトウヤと口付けを交わす。
唇のふれあいは次第に舌と唾液の深い交わりに変わっていき、そこから発する快感に溺れてアメルの肉体とトウヤはより深い快感を求める。
舌同士を舐め合ったり、歯や牙などを舐めていく。 二人はより高き快感を求めるために口同士を押し合う。
ぴちゃぴちゃとした淫らな音が二人を興奮させていく。 しかし、アメルの潜在意識は何もできないままそれを拒み続けるしかなかった。
「ぷはぁ…」
二人は口を寂しそうに離す。 離れた互いの舌からは唾液の糸がつっと引いていた。
アメルの肉体はディープキスで濡れた舌で舌なめずりして、挑発するようにハヤト達を見つめる。
「ふふっ、どうかしら私のキス? これは本当の気持ち、私はトウヤ様によって蛆虫から蝶に生まれ変わるの…」
「そんな…アメル!操られてるんでしょう!?」
トリスの必死な叫びにアメルの潜在意思は叫ぶ。 その声は決して届かないけど彼女は叫ぶしかなかった。
(トリスぅ! 助けて!!私はこんな事したくない!!)
「何を言ってるの? 操られてエッチなキスなんかしないしこんなこと言わないわ」
(違う!私は本当に…)
「さあ、トウヤ様… 興奮が冷めない内に召し上がれぇ…」
アメルは扇情的な声を出して下着を脱ぎ捨て、指で性器を広げる。 その性器は愛液でグショグショに濡れていた。
トウヤは彼女の密かな要求に答えるかのようにズボンを下ろして性器を露わにした。
貫かれた時、痛くないというのはおそらく嘘だろう。 トウヤと交わる事を望んでいたアメルでも、トウヤに貫かれた時には秘部から血が流れていた。
「処女膜を貫かれたのは少し答えたか?」
トウヤは玉座に座ったまま、背面座位でアメルを悦ばせながら彼女に問いかける。
「たしかに…んんぅ…痛かったけど、でも…はっイタいのも気持ちよくなってるんですぅっ!」
(駄目…感じちゃいけないのに……一方的に感じられてる トウヤの魔力がこっちにまでゆっくり入ってくる…)
『痛み』すらも快感として受け入れていくアメルの肉体にトウヤはにやりと笑う。
このまま性行為に望んだのもここに来たレジスタンス達に絶望を叩きつけるためだった。
ここで戦いのカギであり、レジスタンスの希望である聖女を眷属に堕とせばレジスタンスの気力に支障を来たす事ができる。
そして、レジスタンスのリーダーであるハヤトにあの時のトラウマを思い出せる事もできると思ったからである。
目論みは見事に成功し、ハヤトは何かを思い出しているような目で交わる二人を見つめていた。
トリスはアメルの名前を必死に叫ぶが、当のアメルは聞こうともせずにトウヤの熱いペ○スに夢中になっていく。
自分の内に閉ざされたアメル本人格は友の名前を必死に叫ぶが、それは届くはずはない。
トウヤはその光景を愉しみながらアメルの乳房を揉んでいく。
(もう…たえられそうにない…… 頭の中では、体のどこかでは「このままじゃだめ」って思ってるのに…気持ちいい…狂いたくなる)
やるせない思いと理性と本能のせめぎ合いがめぐり合いながら、アメルの本当の意思が、ディナによって創られたもう一つと同化し始めた。
一つになっている。というよりは肉体を操る人格に取り込まれていく感覚だった。
アメルの本当の意思と肉体が元の状態に重なった時、それは起きた。
(!? んぁぁぁん!ひっ!ひああああっ!! き、きもちいい、きもちいいよぉぉ!!)
意思に肉体が受けた快感が突き刺すように入ってきて、彼女を狂わせる。
一体何が起きたのかなど、アメルにはわからなかった。 わかるのは気持ちいいことだけ。
陰茎に貫かれる秘部から送られる快楽が、冷たい指先で揉まれる乳房から送られる快感が、アメルの聖女と人としての心に入り込んで犯す。
「はぁっ!んはぁ♪ きもちいい、きもちいいですぅっ あっあっああっ!!」
アメルは先程よりもいやらしく大きな声を上げてトウヤを求める。 もはや彼女はトウヤとその魔力の虜になってしまった。
快感に狂う親友を見て絶望に落とされるトリスは、激しく親友の名を叫ぶ。 その痛ましい姿をハサハは悲しい目で見ていた。
「お願い…目を覚ましてよぉ…アメル… アメルぅっ!!」
『元に戻った』お陰でトリスの声が届いたのか、アメルの人間としての意識がほんの少しだけ蘇る。
しかし、それと同時に彼女の肩と顔、そして腹部にタトゥーのような紅い痣が表れ始め、涙に濡れた蒼い瞳は真紅に染まっていく。
「ごめんねトリス… せっかく喋れるようになったのに、もう…トリスの名前を叫べない… 私、もう魔王様のモノになったから…
体で感じるの、この痣は魔王様の眷属になった証だって… だからトリスの声、もう届かないし感じられない…
あっ、はぁん、ふはぁ♪…もっと、もっと感じるの…この体が魔王様と同等になると思うともっと魔王様だけを感じちゃってる…
だから… ここで大人しく見てて、ニンゲンという名のうじ虫から悪魔という名の蝶になる姿を…はぁん♪
トウヤ様ぁ!もっと突いて突いてぇ! 私を悪魔に変えてぇ!!」
その瞬間アメルの人間の心は消えてなくなった。 トリスは絶句する。
それは永遠の別れのようで、言葉の全てがトリスにとって残酷なものだった。
ハヤトはアメルの言葉にデジャブを覚える。 救えなかった少女の人としての最後の言葉とよく似ていた。
「くっ、もうすぐ出るぞ…」
「はひぃ!私のおま○こに沢山だしてぇ!!」
「くっ…うあっ!…」
トウヤはほんの少しだけ耐えた声を出し、アメルの子宮に自分の精子を吐き出した。
ヒトを悪魔に変えるほどの魔力を持った魔精を…
魔王トウヤの精をその身に受けたアメルのカラダに変化が訪れる。
目は瞳孔と共に鋭くなり、耳までも尖っていく。
こめかみから丸みを帯びた角がにゅっと生え、腰からは蝙蝠のような翼が飛び出し、
お尻のあたりから尻尾が生えて、最後に爪が鋭く伸びて、角や翼や尻尾と同じ紫色に染まった。
性交と肉体変化の余韻でだらしなく舌を出している口から鋭い牙が覗く。
「はぁん…これが悪魔の力… 聖女なんかよりもすごすぎてまだ興奮が収まらない…」
アメルは見せ付けるようにハヤト達を見下す。
彼女の目には彼らがどう映っているのか、それは決まった事だった。
「ちょっとだけ、ウォーミングアップとでも行こうかしら?」
そう言ってアメルは手をハヤト達の前に突き出し、自分の中のマナを一気に手の平に集め、そのマナを一気に爆発させた。
一瞬にして結婚式会場である城は一気に崩壊し始めた。
瓦礫が崩れ、城の中の物は全て瓦礫の下敷となっていく。 あのベッドも何もかも崩れていく。
それはまるでリィンバウムに住む人間達のなれの果てを予言するかのような惨劇だった。
「ふふ…セックスの後の爆破魔法は最高ね…」
城一部であった瓦礫の上でアメルは微笑む。 他者の幸福を喜ぶものでなく、邪悪な快感。
ニンゲンの作った不要な物を破壊する快感は、性交ほどではないが気持ちがいい。 アメルは感覚的にそう感じた。
「全く…お前はいきなり何をするんだ…… これは閉幕のつもりか?」
アメルが瞬時に作った結界で一命を取り留めたトウヤは、頭を抱えて消極的にアメルに突っ込みを入れる。
強力な魔力を持った魔王でも、彼女の行動だけは読めなかった。
「いいじゃないですか ちゃんとみなさんに結界を付けたんだし」
「そうじゃない… まあいい……」
トウヤは目を回してぶっ倒れているディナやエアとアーノ等の味方を見てため息をつく。
確かに彼女達にも結界を付けたが、突然城が崩壊したため全員パニックになっていたんだろう。
ふとトウヤはアメルの両手を見つめる。 その手には二人の少女がいた。
「アメル、その二人はどうした?」
「ああ、これですか? この二人は私の友達です」
「そいつらをどうするつもりなんだ?」
「決まってるじゃないですか 二人を私達と同じようにするんですよ 私だって情はありますしね、殺すには惜しい人物ですし」
「なるほど、考えが俺そっくりだな…」
「当たり前です だって私はトウヤ様の妻、魔女なんですから」
ニッとした邪悪な表情をトウヤに見せて、アメルは転送魔法を発動した。
ここにいた悪魔達は一人残らず消え去って、この廃墟ではないどこかへと移動した。
そして、この廃墟には瓦礫しか残っていなかった。
いや、残っていたのはそれだけではなかった。
瓦礫に埋もれて死んでいたと思われていたハヤト達は生きていたのである。 そう、死者は誰一人いなかった。
「クソっ、あいつら… 俺達に情けをかけたのか?それとも遊び感覚でこんな事を…」
ハヤトは苛立ちを募らせて唇をかみ締める。 そんな事をしても無意味でしかなかったが、今はそうするしかなかった…
その後、トウヤへの怒りを飲み込んだハヤトは瓦礫に埋もれた仲間を探し始めて、レジスタンスのメンバー全員を発見する。
彼らはほとんど気絶しただけで、死傷者は誰一人いなかった。
しかし、大半のメンバーが無事だったにも関わらず、トリスとハサハが見つかる事はなかった…
これは魔王トウヤに心強い味方が加わり、ハヤトの心に暗い影をまた一つ落とす事になる事件の物語である。
END?
アメルって悪堕ちさせるとギャップ萌えが楽しめるいいキャラですよね。
アメルというキャラは大好きってわけでもないですが、悪堕ちさせる価値のある娘だと思います。
コメント
[C830]
- 2009-05-07 00:02
- 編集
[C831]
省略するテクニックを手に入れたようですが、全体的にはっきりと流れが現れて、より読み易い展開になりましたね。
新しいことに挑戦する都度に進化するいじはち様に、時折、恐怖を感じるときがありますね。
新しいことに挑戦する都度に進化するいじはち様に、時折、恐怖を感じるときがありますね。
- 2009-05-07 00:39
- 編集
[C832]
2本の作品とも楽しませていただきました。
本当にお疲れ様です。
いじはち様のSSでこんなにHな描写が書かれてるのは初めてだと思います。
私の好きなシチュばかりで本当嬉しい限りです。
本当にお疲れ様です。
いじはち様のSSでこんなにHな描写が書かれてるのは初めてだと思います。
私の好きなシチュばかりで本当嬉しい限りです。
- 2009-05-07 01:27
- 編集
[C835] 皆様コメントありがとうございます
コメントしてくれたみなさんありがとうございます。
楽しんでいただけて幸いです。
>>deadbeet様
「イヤなのに感じる」というネタを自分なりに考えたのがアレだったりします。
>聖女って落としがいがあるよねw
わかってますね(ニヤリ)
個人的にはアメルは聖女という部分だけでなく、彼女の博愛的な性格も悪堕ちにはもってこいなんです。
アメルの堕ち後は書いてるだけで楽しくなりますね。
>>神代☆焔様
省略は「早く書くべき部分を書きたい!」という焦りでやっちゃう事がありましたが、
進歩しているとは自覚してませんでした。
>新しいことに挑戦する都度に進化するいじはち様に、時折、恐怖を感じるときがありますね。
書くときはほとんど無我夢中のような状態で書いてるので、
「進化している」というのは自分でも自覚してません(汗)
でも、自分自身がわからない事を指摘されるのはある意味面白いです。
俺もSSなどの『作品』を鋭く指摘する神代☆焔様にいつもいつも驚かされています。
参考になった時もありました。
>>ν賢狼ホロν様
アメルのは元になった物がHシーンだったからSEXシーンには力を入れました。
改めてSSを見ましたが省略したとはいえ、Hシーンが多いのには自分でも驚いてしまいました。
喜んでいただくと描いた甲斐があった気がします。
>>Mizuha様
「悔しい…イヤなのに感じる」ならぬ
「イヤなのに体が勝手に…」ですねw
『意識は正気なのに肉体が操られてる』というシチュは
ロボットアニメの『コクピットには誰もいないのに敵に操られている』というシチュとちょっと似てるかなと思ってます。
最後にこのSSの元となった絵を描いた真田クロ様ありがとうございました。
あの絵達がなかったらこの作品は書けませんでした。
本気で感謝です!
楽しんでいただけて幸いです。
>>deadbeet様
「イヤなのに感じる」というネタを自分なりに考えたのがアレだったりします。
>聖女って落としがいがあるよねw
わかってますね(ニヤリ)
個人的にはアメルは聖女という部分だけでなく、彼女の博愛的な性格も悪堕ちにはもってこいなんです。
アメルの堕ち後は書いてるだけで楽しくなりますね。
>>神代☆焔様
省略は「早く書くべき部分を書きたい!」という焦りでやっちゃう事がありましたが、
進歩しているとは自覚してませんでした。
>新しいことに挑戦する都度に進化するいじはち様に、時折、恐怖を感じるときがありますね。
書くときはほとんど無我夢中のような状態で書いてるので、
「進化している」というのは自分でも自覚してません(汗)
でも、自分自身がわからない事を指摘されるのはある意味面白いです。
俺もSSなどの『作品』を鋭く指摘する神代☆焔様にいつもいつも驚かされています。
参考になった時もありました。
>>ν賢狼ホロν様
アメルのは元になった物がHシーンだったからSEXシーンには力を入れました。
改めてSSを見ましたが省略したとはいえ、Hシーンが多いのには自分でも驚いてしまいました。
喜んでいただくと描いた甲斐があった気がします。
>>Mizuha様
「悔しい…イヤなのに感じる」ならぬ
「イヤなのに体が勝手に…」ですねw
『意識は正気なのに肉体が操られてる』というシチュは
ロボットアニメの『コクピットには誰もいないのに敵に操られている』というシチュとちょっと似てるかなと思ってます。
最後にこのSSの元となった絵を描いた真田クロ様ありがとうございました。
あの絵達がなかったらこの作品は書けませんでした。
本気で感謝です!
- 2009-05-07 23:32
- 編集
[C836]
省略することで、読者にそのシーンを想像(妄想)させて、自分の好きな展開に持って行けたら、最高なんですが、いじはち様の作品では、エロシーンに行くまでの過程を省略することで、だらだらとなりそうな部分が抜け落ちて、すっきり読めました。
こんな使い方もあるんだなと、逆に勉強させて頂きました。
こんな使い方もあるんだなと、逆に勉強させて頂きました。
- 2009-05-07 23:49
- 編集
[C838]
>>神代☆焔様
更に改めて読んでみると、自分の作品は人物同士の会話と堕ちシーンに力を入れてるなーと感じました。
それにいたる過程は無意識の内に省略してるような気がします。
(前編のは意図的にしてますけど)
会話シーンは自分の書きたいものを詰め込んだものです。
過程は省略したかもしれませんが、会話は省略してないと思ってます(薄っぺらだなぁ)
更に改めて読んでみると、自分の作品は人物同士の会話と堕ちシーンに力を入れてるなーと感じました。
それにいたる過程は無意識の内に省略してるような気がします。
(前編のは意図的にしてますけど)
会話シーンは自分の書きたいものを詰め込んだものです。
過程は省略したかもしれませんが、会話は省略してないと思ってます(薄っぺらだなぁ)
- 2009-05-08 21:04
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両作品とも楽しませて頂きました。
心は嫌がっても、体を敵のいいように操られるアメルがいい感じでした。
聖女って落としがいがあるよねw