過去4年間で50万人以上の英国人が、『貧困層』と分類される低所得者グループに新たに入ったことが政府発表により明らかになった。
英労働年金省「Department for Work and Pensions」が発表した統計によると、子供がいない貧困成人の数は昨年560万人を超え、約3年で60万人も増加したという。生産年齢にある成人で貧困層に属する数は10%以上も増加、これは過去50年間で最も高い水準を示しているという。ただ、貧困層に属する子供の数と年金受給者の数は、昨年から横ばいになっている。
仕事をもたない若者や、仕事を探さず福祉手当に頼る何百万人という『経済的に何も生産していない』人々に対する懸念が大きくなっているなか、労働党政権下で貧困層が増加を続けているのは、政府にとっても打撃といえる。
なお、英国で貧困層に分類される低所得者の数は、不況になる以前の2005年から増加が始まったといわれる。それまでの8年間は、貧困層に属する生産年齢にある成人の数は500万人に抑えられていた。
これは、欧州連合に加盟した旧東欧諸国で英国への移民ブームが起こった時期と合致しているという。
独立系シンクタンク「Migrationwatch」のアンドリュー・グリーン卿は「過去4年間で貧困層が急増しているのは興味深いことだ。これは、移民数が急増した時期と合致する。必ずしもこれが直接の原因ではないかもしれないが、政府は他に良い説明を思いつくだろうか」と話す。これに対し、財務省のスティーブン・ティムズ氏は「貧困層の増加を、安易に移民の増加と関連づけるべきではない」と反論している。
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