2009年5月16日11時56分
厚生労働省は16日、国立感染症研究所での詳しい検査で、神戸市内の高校3年生の男子が新型の豚インフルエンザに感染していることを確認した、と発表した。検疫を除く国内で初めての発生。同じ高校に通う2人の高校生も、神戸市環境保健研究所の検査で、陽性反応が出ている。3人とも渡航歴はなく、国内で人から人への感染が広がっている可能性がある。
政府は同日午後、対策本部の幹事会を招集し、新型インフルエンザの国内対策をこれまでの「第1段階(海外発生期)」から、「第2段階(国内発生早期)」に切り替える予定。水際での食い止め重視から、地域での感染拡大防止を主眼にした段階に移る。
この高校ではほかにも10人以上が体調不良を訴えており、校内で感染が広がっていないか、神戸市が調べている。厚生労働省も職員を派遣した。
新型インフルエンザの感染が確認されたのは、神戸市内の高校に通う3年生男子(17)。さらに、同市環境保健研究所で陽性反応が出ているのは、同じ高校に通う2年生の男子(16)、2年生の女子(16)。
感染が確認された3年生男子生徒は11日に悪寒を訴え、12日に37.4度の発熱で市内の診療所を受診し、簡易検査でインフルエンザと判明。15日に同市環境保健研究所がウイルスの遺伝子を調べるPCR検査をしたところ、新型インフルエンザの陽性反応が出た。
男子生徒は12日に学校を早退し、自宅療養していたが、16日、感染の広がりを抑えるために市内の指定病院に入院している。治療薬のリレンザの処方を受け、現在の容体は安定しているという。
2年生男子は15日に発熱し、市内の別の診療所を受診し、簡易検査でインフルエンザと判明。夕方には39.7度の熱が出て、リレンザで治療している。16日未明に市内の指定病院に入院し、同日朝、遺伝子検査で新型インフルエンザの陽性反応が出た。