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【主張】民主党代表選 自浄能力発揮してみせよ
民主党は16日の両院議員総会で、鳩山由紀夫幹事長と岡田克也副代表のいずれかを新代表に選出する。
今回の選挙では、西松建設の違法献金事件での説明責任を果たさないまま辞任する小沢一郎代表に対し、民主党が自浄能力を示せるかどうかが問われていることを忘れてはならない。
だが鳩山、岡田両氏とも、この問題に正面から向き合っているとは言い難い。西松建設の違法献金事件に対する党としての総括もない。新体制では「全員野球」だという。
これでは何のための代表選か。国民は民主党が生まれ変わり、政権を担当できる責任ある政策を打ち出すことを求めている。候補者も所属国会議員も16日に出す答えに民主党の信頼回復がかかっていることを認識してほしい。
15日に日本記者クラブ主催で開かれた公開討論会では、年金、地方分権など内政面の議論は活発化した。その一方で、外交・安全保障や憲法問題など国のありようや国際社会とのかかわりに関する議論は欠落していた。政権交代を叫ぶだけでなく、具体的な政策をなぜ語らないのか。
岡田氏は社会保障財源としての消費税問題を取り上げ、鳩山氏が「議論さえすべきでない」と主張していることに反論した。政権交代を実現したのち、公的年金制度を超党派で議論することへの意欲も示した。
ただ、消費税増税を衆院選の争点にすることには「あまり焦点が当たるのはいかがかと思う」と慎重姿勢も残した。
民主党内の論戦ぶりについて、与謝野馨財務相は「岡田さんは逃げない」と、税財政論議への姿勢が積極的だと評価している。
与野党が共通の重要テーマに向き合ってこそ、政権を競い合う本格的な論争が生まれるといえるだろう。
一方、鳩山氏は、一昨年の参院選勝利などを導いた小沢氏の実績を改めて評価し、「功績を継承し発展させていく」と強調した。選挙対策の役職などを想定し、小沢氏の力を引き続き借りようという姿勢を鮮明にしている。
だが、これは小沢執行部体制の看板を掛け替えただけにすぎないのではないか。党運営の透明性を高めると主張するなら、小沢氏のコントロールを受けてはならないだろう。