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乗客、定員2割に制限 感染26分の1 国立感染研試算

 新型インフルエンザ問題で、鉄道での感染拡大防止策として乗客を定員の2割に制限すれば、国内での流行時も想定患者数を約26分の1に抑制できることが15日、国立感染症研究所の試算で分かった。だが、本格的な乗車制限を行うと、駅構内に人があふれ、混乱が生じる可能性もあるため、関係機関からは現実的対策ではないという指摘も出ている。

 新型インフルエンザの国内流行が懸念されるなか、鉄道各社も検討を進めているが、事態予測が難しいだけに、対応策はなかなか決まらない状態だ。

 国立感染症研究所の試算は首都圏の鉄道を想定して調査。国土交通省の研究会で報告された。新型インフルエンザは、患者のせきなどで飛沫(ひまつ)感染するとされており、ラッシュ時の通勤電車は感染拡大の温床になりかねないためだ。

 同じ電車の車内にいても間隔が1、2メートルあいていれば感染防止に効果的だという。国交省は昨年12月、地下鉄車両を使って乗車制限する実験を行っているが、ガイドラインに従って間隔をあけて乗車した場合、乗車できる人の数はラッシュ時の2、3割にとどまるという。

 乗車制限について国交省鉄道局危機管理室は「乗車できない人によるトラブルも予想され、現実的には難しい。ラッシュ時は駅に人があふれることによる感染拡大の危険もあり、かえって混乱する可能性もある」と分析する。

 一方、政府は大規模な流行が発生した場合でも社会機能を保つため、鉄道輸送能力は維持する方針も示している。厚生労働省は昨年7月、新型インフルエンザが流行した際の対応を「行動計画」としてまとめるよう、企業などに指示。これを受けてJR西日本では昨年11月「新型インフルエンザ準備検討チーム」を発足させているほか、他社も対応策の検討を進めている。

 各社の間では、社員の欠勤者が増え、運行に支障がでることなどが懸念されている。乗務経験のある社員を復帰させることなどを検討しているが、対応策は定まっておらず、具体的対策は、とどまっているという。
 

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