ネケイア 夜の航海

ネケイアNekyiaはユングの提唱した概念で「夜の航海」

苦しみながら無意識と対話して乗り越える一連の戦いのこと

少数派の原則

2009年05月14日 | ただのひとりごと
村上龍『無趣味のすすめ』(幻冬舎 2009/3/26)という本を立ち読みしていたら、「少数派の原則」という文章にぶち当たった。

「ベンチャー起業して成功するのは少数派だけである」という原則

があるらしく、ネットに載っていた文から引用すると

なかでも「少数派という原則」というのがあって、多数派への誘惑を断固として拒絶すること、それがヴェンチャーの原則である…。

誰もやれない事をやれ、と言われて、はいやりますというような人はヴェンチャ―には向いていない。

誰もやらない事をやろうよ、というのも同様だ。

誰かに誘われて金魚の糞のようについて行ってヴェンチャ―企業ができるのなら、今ごろ日本社会には大いなる活力がみなぎっていることだろう。

やれという「命令・指示」、やろうよという「提案・勧誘」、やった方が良いという「推薦」などは、いずれもヴェンチャ―の本質や原則に逆行する。

ヴェンチャ―スピリットを持つ人は原則的に少数派だ。みんながやろうとしていること、みんながすでにやっていること、すでにニーズが満たされていること、価値が定まっている事、それらに本能的に背を向ける資質がなければヴェンチャ―などやれない。

ただしそれは他人の言う事に耳を傾けないと言う意味ではない。情報や知識やネットワークへの飢えを持ちつつ、少数派の立場を常に維持しなければ、あっという間に「既成」の波に呑込まれるということだ。

トヨタもソニーもホンダも、創業者は社会の少数派だった。
小規模で孤独な環境から出発し、多数派に加入する誘惑を断固として拒絶すること、それがヴェンチャ―の原則である。
「無趣味のすすめ」村上龍 著より


とかなんとか書いてあった。
村上龍って一冊しか読んだことないんだけど(この本もこの部分だけ立ち読み)この部分に関しては村上龍の感じ方はしっくりくる。

※<追記>「新自由主義者の方々って,業種を変更することのコストを過小に見積もる傾向がある」と小倉氏が書いておられますが、この部分はおっしゃるとおりだと思います。
(1)一度、所属を失って、(2)新たに職探しをして(日本はまだまだ転職者蔑視があると思う。若い女性に聞くと「転職経験が二度以上ある男性はちょっと・・・。」と言う人が多い)(3)新しい環境入り、慣れる・・のは大変です。

転職者本人もしんどいだろうし、その家族(子供)が受けるストレスも相当量だし、求職中に失業者に投入される税額だってすごいでしょ。結局(現行の)解雇規制を緩和すれば「もっと大きな政府」になるって別の先生が書いていたけど、そのとおりじゃないかな。

お父さんが失業してしまった子供の精神的ストレスを考えると数字で表せないものも大きい。児童に対する虐待や暴力の摘発・届け出の件数はここ数年、激増しているし、専門家は異口同音に「子供へ向けられる暴力の背後には、安定しない親の収入や貧困がある」ことを指摘する。雇用の安定は幸福の礎だし、個人から幸福の土台を法的に取り上げて、本当に経済回復するのかどうかよくわからない。


※<追記2>完全に戦力外のNekyiaだが、勉強になるので、池田氏の発言(最新版)に注目。

脚注 (池田信夫) 2009-05-14 10:48:13
和解で契約が「平成17年3月31日まで」となっているのは、グローコムの雇用契約がすべて1年契約であるためです。しかし実際には、何か問題を起こさないかぎり、契約は自動的に更新されるのが普通です。


「しかし実際には、何か問題を起こさないかぎり、契約は自動的に更新されるのが普通です」というあたりが、実に終身雇用的なメンタリティーです。

解雇 (池田信夫) 2009-05-14 11:57:26
彼は、解雇規制を撤廃したら「不当解雇が野放しになる」などといっているが、これは「解雇権濫用」と「整理解雇」を混同するものです。(略)
OECDやNIRAの報告が問題にしているのは、そういう「不当解雇」ではなく、企業の経営が苦しくなったとき解雇する条件が非常にきびしい「整理解雇」です。契約上の問題がなくても企業がつぶれるまで解雇できないという判例が、企業の雇用コストを高めて過少雇用をもたらしているのです。(略)


「企業がつぶれるまで解雇できない」ってことは(官庁・大企業・教育を除いて)事実でないように思います。実際に長く働いていて、一方的に首になりそうな場合、現存の法が消えたら泣き寝入りしかないのでは。企業は首にしたい労働者にはもっともらしい理由を付けてどうやってでも首にする。今だって不当解雇多いし、訴えても数十万かそこら払ってお払い箱なのに(訴えたら戻れませんよ・・)。
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