2009年5月15日 12時41分更新
群馬県は、新型インフルエンザに感染した疑いのある人をほかの患者と接触させずに診察する「発熱外来」の設置を増やすために診察にあたる医師や看護師を県の嘱託職員として採用する方針を決めました。
厚生労働省は「発熱外来」の設置の準備を進めるよう各都道府県に指示していますが、診察中に感染した場合の補償をどうするかが課題となっています。
これについて、県では県の医師会などと協議を行い、「発熱外来」を設置した際には診察にあたる医師や看護師を県の嘱託職員として採用する方針を決めました。
この結果、たとえば、医師が診察中に感染した場合、公務員と同様に「災害補償制度」を受けることができ、医療費などが支給されるということです。
この方針を明らかにした後、県内の発熱外来はそれまでの3か所から15か所に大幅に増えたということです。
群馬県感染症危機管理室の根岸信宏室長は、「本来は国が対応すべきだと思うが緊急の課題として決めた。今後はこの方針を早急に決定するとともに医療関係者や地域と話し合いさらに数を増やしていきたい」と話しています。
また、群馬県医師会の今泉友一医師は「発熱外来が設置された場合、感染症専門の医師だけが対応するわけではない。こうした措置を取ることで医師が安心して出ることができ発熱外来も継続的に維持できると思う」と話しています。
厚生労働省によりますと、発熱外来の設置で今回のように都道府県が独自に補償制度を設けるのは珍しいということです。