映画「ハゲタカ」の難解なせりふに出演者はヘトヘト…「次作は無声映画でやって」
6月6日(土)から公開される映画「ハゲタカ」の完成披露記者会見が10日、都内で行われ、出演者の大森南朋、玉山鉄二、栗山千明、高良健吾、遠藤憲一、中尾彬、柴田恭兵と、大友啓史監督、訓覇圭プロデューサーが出席した。
本作は、'07年にNHK総合で放送された同名ドラマの劇場版。ドラマでは、外資系投資ファンドで“ハゲタカ”と呼ばれ、日本企業の買収を次々と仕掛ける天才ファンドマネジャー・鷲津政彦(大森)と、彼に立ち向かう日本企業の攻防を描いた。経済の最前線に鋭く切り込んだ内容は、国際番組コンクール「イタリア賞」に輝くなど、国内外で高く評価された。劇場版は、ドラマから4年後の日本を舞台に、老舗自動車メーカーの買収をめぐって中国系資本をバックに持つファンドマネジャー、“赤いハゲタカ”こと劉一華(玉山)と鷲津との対決が描かれる。
大森は「非常に緊張感のある現場だった。やりきった感じがする」と充実感たっぷりに撮影を振り返った。
玉山は「役者としては貴重な経験をさせてもらったが、クランクアップから2週間くらいは抜け殻のようになってしまった(笑)」と全力投球だったことを明かした。
金融業界が舞台とあって、せりふは長い上に難しい用語ばかり。自動車メーカー社長役の遠藤は「何十回もNGを出してしまって、役者生活が不安になったくらい(笑)」と苦笑い。記者役の栗山も「わたしは聞いている方だったのですが、もししゃべる役だったらと思うとゾッとする」とその難しさを表現。中尾は「次作があるなら無声映画でやって」と笑わせた。
リアリティーを持たせるために実際に起きた経済問題を豊富に盛り込んだため、脚本が社会情勢に合わせて変更されることも多かったという。大森は「ニュースを見て、また台本が変わるんだろうなと思っていたらやっぱり変更に。できれば経済が安定しているときにやりたい作品」と本作ならではの苦労を口にした。一方、柴田は「撮影中に起きたさまざまな社会問題を反映してラストシーンも最後の最後で変更になった。皆さん不況で苦しいでしょうが、明日も頑張ろうと思える作品になっていれば」と作品に込めた思いを語った。
自動車メーカーの派遣工を演じた高良は「役者と派遣労働者の立場は似ているところがあると感じ、台本を読んでいて彼らの境遇にとても胸が痛んだ」と真剣な表情でコメントした。
映画「ハゲタカ」
6月6日(土)より全国東宝系にてロードショー