地域の診療所と連携 宮城県、新型インフル大流行時

 新型インフルエンザの対応を協議している宮城県と県医師会は、世界的大流行(パンデミック)に発展した場合、軽症者の診療は診療所が担当し、重症者は病院へ送る仙台市の方式を採用する方向で検討に入る。県内で感染が拡大し、大流行した際は、特定の病院だけの対応では機能不全になる恐れがあると判断し、かかりつけ医など地域の診療所の協力をあおぐことにした。

 県医師会は18日、新型インフルエンザ対策委員会を開き、実施に向けて協議する。

 強毒性を想定した国の新型インフルエンザ対策ガイドラインでは、特定の病院などに設置された発熱外来が最初に患者を診断する。今回のウイルスは弱毒性とみられ、県などは一般の診療所でも診察が可能と判断した。

 仙台市が策定したメディカル・アクションプログラムでは、診療所がいったん患者を引き受け、軽症者の診療を担当し、入院が必要な重症者は病院に送る方針を定めた。市医師会の協力で内科、小児科、耳鼻科の計約600カ所に協力を呼び掛け、診療所の登録作業を進めている。

 県保健福祉部は「診療所の協力がなければ、パンデミックとなった場合の対応は難しい。仙台の方法が県全体でも実施できないかどうか、市と連携しながら検討したい」と話している。

◎発熱外来31病院協力 県調査に回答

 国内での新型インフルエンザ流行を想定し、県が全病院に対し発熱外来を設置できるかどうかを聞いた調査で、条件付きを含めて31病院が協力を申し出たことが14日、分かった。県は必要に応じて協力病院に診療態勢の整備を求め、感染拡大に対応する。

 県内140病院のうち、発熱外来設置に協力できると回答したのは4施設で、条件付き協力は27施設だった。

 入院患者の受け入れについても、協力が3施設、条件付き協力は15施設。条件として挙げられたのは「県内で患者が急増した場合」がほとんどだった。

 県は既に県循環器・呼吸器病センター(栗原市)など6病院に発熱外来を設置し、計34床で入院治療を行う態勢を整えた。病床が不足すれば、同センターの42床を加える。

 感染がまん延し、新たな収容先の確保が必要になった場合は、各病院の医師数や設備、地域バランスを考慮して協力を求める。協力病院には治療薬や、医療スタッフが身に着ける感染防護用のエプロンやマスクの配布を検討している。

 県医療整備課は「多くの病院から、協力を得られるめどがついた。各病院と調整して感染拡大に対応する」としている。


2009年05月15日金曜日

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