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【芸能・社会】

松山 菊地 水原で『ノルウェイの森』 ユン監督がキャスト発表

2009年5月14日 紙面から

 村上春樹氏の世界的なベストセラー小説が原作の映画「ノルウェイの森」(トラン・アン・ユン監督・脚本)の主人公ワタナベ役に松山ケンイチ(24)、直子役に菊地凛子(28)、緑役に新人でモデルの水原希子(19)の起用が決まった。製作元のアスミック・エースが13日、発表。来日中のユン監督が意気込みを語った。

 原作は1987年の初版から、国内発行総累計920万部、36言語に翻訳された。映画化を拒み続けた原作者が「ユン監督なら」と許諾した映画化は、昨年7月に発表されて以来、配役が注目を集めていた。

 フランス在住のベトナム人で、秀作「青いパパイヤの香り」「シクロ」で知られるユン監督が、「会った瞬間、ワタナベの純粋で無垢(むく)な部分を表現できる」と、白羽の矢を立てたのは松山だった。松山も「美しい描写をされる監督とご一緒させてもらえるのは光栄」とコメント。

 07年「バベル」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊地は、みずからオーディションに名乗り出た。「オーディション・ビデオを見て3秒で、直子になれると凛子に決めた。彼女の演技力はすごい」とユン監督。

 大抜てきの水原は、米国人の父と在日韓国人の母をもつモデルで、ファッション雑誌「Vivi」で活躍中。演技は初めてだが、ユン監督は「希子の発する雰囲気は新鮮。かつてない女優を観客にお見せします」と話した。

 監督は92年にフランス語訳で原作を読み感動。04年に村上氏と会い、氏を納得させる脚本を書きあげGOサインをもらい、ついに映画化始動へこぎつけた。時代設定は原作と同じ1969年で、せりふはすべて日本語。「オリジナルに忠実な物語。私には理解できない日本語の微妙なニュアンスも、俳優の演技を見れば監督として直感でジャッジできる」と自信をみなぎらせた。

 兵庫県内で10日間ほど冬のシーンのロケをすませ、6月1日に本格クランクイン。8月末に撮了し来年3月に完成予定で、海外の映画祭出品を目指す。海外配給も決まっており、ノーベル文学賞に最も近いと言われている村上氏の代表作の映画化は世界中の関心を呼びそうだ。公開は来年秋。

 

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