新型インフルエンザのウイルスが、「人為的なミスで、発生した可能性がある」との一部科学者の学説について、WHOは13日、研究機関を通じて、調査に乗り出していることを明らかにしました。
人為ミス説を主張しているのは、WHOのプロジェクトで抗ウイルス薬「タミフル」の開発につながる基礎研究をしたオーストラリアの科学者、エイドリアン・ギブス氏(75)です。
ギブス氏は、新型インフルエンザのウイルスがウイルスの培養やワクチン製造のために、研究者が使う鶏卵の中で偶然に発生した可能性があると指摘しています。
ウイルスの遺伝子を解析した結果、自然界では起こりにくいと見られる変異を発見したということです。
「関係機関の科学者、動物学者に、これについて精査するよう依頼してあります」(WHO・ハートル広報官)
この学説について、WHOは13日の会見で、関係機関の科学者や動物学者などを通じて、学説を精査したうえで、根拠があるかどうか、調査に乗り出していることを明らかにしました。
様々な憶測を招きかねない学説であるだけに、WHOには明確な説明が求められています。(14日16:13)