2009年5月12日19時31分
日本経団連は12日、温室効果ガスの2020年までの中期削減目標について、政府が示した6案のうち90年比4%増(05年比4%減)の第1案が合理的だとする意見を発表し、政府に提出した。選択肢のうち最も削減幅が小さい目標だが、欧米と比べた削減費用の公平性や国民負担の妥当性を考えた結果としている。
これに対し、斉藤環境相は12日の閣議後会見で「世界の笑い物になる。技術を持った日本が後ろ向きの目標を出すのは国際社会での地位をおとしめる」と批判した。
経団連は、温暖化対策が欧米に比べ進んでいる日本は、同じ量の二酸化炭素を削減するのにより多くの費用が必要と主張。オバマ米大統領が掲げた05年比14%減など、欧米の目標達成に必要な費用と同じ負担で日本が対策をとると第1案が妥当だとしている。
また政府の世論調査で、6割の回答者が、温暖化対策のため許容できる負担額は1家庭で年1万2千円未満としていることも理由に挙げた。また目標の前提となる環境対応車などの普及率の実現性も検討すべきだと指摘した。