原理研究会・京大学生新聞にご注意

1.『京大新聞』と『京大学生新聞』は違う団体
2.統一協会とは何か
3.学内での原理研究会の活動
4.京大学生新聞の内実
5.あてにならない「大学公認」
6.全国に広がる原理新聞問題 (関連リンク・リスト付録)


1.『京大新聞』と『京大学生新聞』は違う団体

京都大学には私たちがつくっている京大新聞とは別に、京大学生新聞と呼ばれる学生新聞が存在します。これは原理研究会が作成している学生新聞(=原理新聞)なのです。

近年の「合同結婚式」報道により、「統一協会」は、再び広く知られるようになりました。この統一協会の学生下部組織として「原理研究会」があります。統一協会の霊感商法は大いに衆知されていますが、それだけではすまない統一協会=原理研究会の実態はあまり知られていません。きちんと知っておきたいものです。

※このサイトの主催者は『京都大学新聞』であり、原理系の『京大学生新聞』と混同のないようにお願いします。『京都大学新聞』は一切の政治・宗教組織および大学当局から独立し、電話勧誘も行なっておりません。


2.統一協会とは何か

『統一協会(勝共連合)』は1954年韓国・ソウルで当時の李承晩(イ・スンマン)軍事独裁政権の徹底した反共政策の庇護のもと、文鮮明(ムン・ソンミョ ン)を教組として誕生しました。正式名称は 『世界基督教統一神霊協会』と言って、「基督教」とは言うものの、キリスト教とは系譜的に一切関係のない新宗教です。教義については朝鮮(韓国)の土着新宗教である血わけ教(霊体派)の影響が濃いと言われており、教典として『原理講論』があります。

統一協会が日本で布教活動を始めたのは、1950年代。大学では、早稲田大学、東京大学などで活発に活動し、1967年には「親泣かせの『原理運動』」と して新聞にも取り上げられるまでになり、社会問題化しました。68年には『国際勝共連合』が結成され、統一協会は日本の右翼陣営と手を結び、政治運動を開始することになりました。

その後1970年代以降、『世界平和教授アカデミー』の設立による保守系の学者・研究者の抱え込みおよび肩書きを利用した「勝共理論」「統一思想」の流布、また北は『北大学生新聞』から南は『九大学生新聞』まで全国で26紙(1985年)を数える原理系学生新聞(=原理新聞)の創刊など全面的な大学浸透キャンペーンを行なってきました。


3.学内での原理研究会の活動

総合人間学部構内などで“人生についてあなたはどう思いますか?”“愛やセックスについてどう考えますか?”といったアンケート活動をしている団体(京大 CARPなどと名乗ることが多い)に出くわした人もいるでしょう。それが原理研究会です。彼らは勧誘した大学生(特に新入生)を大学の近くにあるビデオセ ンターに連れ込むなどし、興味を持った者を「2デイズ」「7デイズ」などと呼ばれる合宿へと誘い込みます。連日の「学習会」(統一協会の教義を段階的に教え込む)や「賛美のシャワー」(信者が勧誘対象を全面的に褒めたたえることによって人間関係を作ってしまい、抜けにくくする)などの巧妙な「マインド・コ ントロール」によって、統一協会=原理研究会の忠実な信者にさせられてしまいます。

作り出された信者は全国的に組織された大学原理研のメンバーとして位置付けられ、新信者の勧誘や原理系学生新聞(=原理新聞)の編集、統一協会の資金収集のために行なわれる霊感商法(壷や印鑑、などを法外な値段で訪問販売する)や街頭募金(「アフリカの難民のためにカンパをお願いします」などと駅頭などで行なっている) に従事させられることになります。

また、最近では「私たちは結婚まで純潔を選択します」といったビラを学内で配布していたりもします。統一協会が90年代になってから展開を始めた「新純潔教育」キャンペーンに則ったもので、内容は「結婚までは純潔を尊重し、幸福な家庭生活を築きましょう」といった、統一協会の教義(の一部)である「血分けの儀式」や「合同結婚式」、その背景にある「純潔の思想」を一般に浸透させようと狙うものです。極めて保守的な「純潔」思想には、人権教育としての性教育 の観点からも問題点が多く指摘されており、例を挙げると、性と生殖に関する自己決定権の侵害、セックスによるHIV/AIDS感染者への差別、同性ととも に生きる者(同性愛者)への差別などが存在していると言えます。


4.京大学生新聞の内実

『京大学生新聞』は、前述の原理研究会による全国的な大学浸透キャンペーンの中、1973年に創刊されたもので、紙面は極めて保守色が強く、また「反共 (産主義)」「勝共」を全面に掲げるなど実質的に統一協会の京大における宣伝紙の役割を担ってきたと言えます。紙面の版型をタブロイド版に変更するなど、 ソフトな外見で一見では原理系とはわからない紙面作りをしていますが、よく観察すると「主張」欄やコラム「紅萌抄」欄、年数回ある「全新連」欄などには統一協会の教義が色濃く反映されていることが分かります。内容的にも、京大の名誉教授や有名教官などを意図的に利用する記事が多く、また大学当局側の「大学改革」の動きを追認的に報道する記事がほとんどであることなど、ジャーナリズムとしての価値は一切ありません。

『京大学生新聞』の編集員のほとんどが統一協会のメンバーであることが確認されており、組織上においても『京大学生新聞』は『全国学生新聞連合(全新連)』(統一協会傘下の学生新聞の全国組織)の京大における支部として位置付けられ、多数の「全新連」加盟新聞からの転載記事が掲載されています。

『京大学生新聞』は、月2回(5日、20日)発行され、総合人間学部の教室や各学部教官のメールボックス、自転車のかごなどに大量にばらまかれており、原理研究会の主張・教義のソフトな形での学内浸透を図っています。学外では京大卒業生に対し、「京大の学生が発行する新聞です」といった語り口で原理系であることを隠して、電話勧誘を行っています。この電話勧誘はかなり執拗に行われており、苦情の声が相次いでいます。購読料は年間1万円で、極めて高額な購読料と広告掲載料を合わせ、『京大学生新聞』の活動はかなりの収益を上げており、それが統一協会の資金源となっていることが明らかになっています。


5.あてにならない「大学公認」

統一協会・原理新聞系(原理新聞)の一部は「大学公認」を取得して紙面やウェブサイトに載せ、“大学のお墨付き”であるかのような雰囲気を醸しだそうとしています。しかしながら京都大学などにおける「大学公認」というのは、「団体結成届」を学生部へ3年間提出すれば、いかなる思想信条に基づいていようが、 問題行動をしていようが、自動的に認められるものです。実際、統一協会だけでなく宗教では親鸞会や創価学会の下部団体、政党では共産党の下部団体、さらには過激派の下部団体も、京都大学公認団体リストに名を連ねて活動しています。

京都大学において「公認団体」が(非公認団体に対して)もつアドバンテージとは、学生部に郵便ポストが与えられることと、自団体の名前で学内教室が借りられることの2点程度です。BOXなどが自動的に支給されるわけではありませんし、単に「公認団体」というだけでは、非公認団体と大きく異なる点はないと考えてさしつかえありません。

※「大学公認」を強調するほか、「学内のオピニオンリーダー」などと表示する手口も、原理新聞に見られる特徴です。


6.全国に広がる原理新聞問題

統一協会・原理研究会系新聞(=原理新聞)の一部をリスト化しました。「正規の新聞」というのは便宜上、原理新聞創刊時にあったものを載せています。いずれの大学においても、名簿を用いて卒業生に購読勧誘の電話をしています。語り口は、「○○大学の学生が作っている新聞ですが、賛助・支援の意もこめて定期購読していただけませんか」「定期購読料が年間1万円、縮刷版とあわせて2万円でいかがですか」「学部卒業者の(最新の)名簿を貸していただけませんか」などといったもので、京都大学以外でも同じ手口であることが、確認されています。

原理新聞であることを隠し、正規の新聞であるかのように見せかけて勧誘を行なうため、全国的に問題化しています。私たち『京都大学新聞』だけでなく『東京大学新聞』・『神戸大学新聞』・『日本大学新聞』などでも、原理新聞に注意喚起する社告が定期的に掲載されています。

山形大学に至っては、卒業生へ副学長名で注意喚起しなければならないありさまです。購読料などをめぐる苦情が卒業生から多数寄せられているため、これらの大学では当局自らが動くこととなりました。

※関連リンク
『山形大学生新聞』に御注意ください (山形大学当局)
原理研究会問題について (東京大学教養学部オリエンテーション委員会)
北大に潜む統一協会に注意 (北海道大学新聞)
原理研究会に注意! (神戸大学新聞)
「日大学生新聞」という、悪質な類似紙にご注意下さい! (日本大学新聞)

正規の新聞 統一協会・原理研究会系の新聞
東京大学新聞 東大新報
京都大学新聞 京大学生新聞
東北大学新聞 東北大学生新聞(通称ナマ新聞)
北海道大学新聞 北大学生新聞
九州大学新聞 九大学生新聞
名古屋大学新聞 名大ジャーナル
大阪大学新聞(縦題字) 大阪大学新聞(横題字・通称ヨコ新聞)
神戸大学新聞 神戸学生新聞
山形大学新聞 山形大学生新聞
金沢大学新聞 金沢学生新聞
埼玉大学新聞 埼玉学生新聞
鳥取大学新聞 鳥大学生新聞
筑波大学新聞 筑波ジャーナル
岡山大学新聞 岡大ジャーナル
熊本大学新聞 熊大学生新聞
慶應塾生新聞 慶應キャンパス新聞
早稲田大学新聞(現在革マル系) 早稲田学生新聞
日本大学新聞 日大学生新聞
など など

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