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【国際】

抗ウイルス薬 投与、大半不要 新型インフル感染者

2009年5月13日 夕刊

 【パリ=清水俊郎】新型インフルエンザの感染拡大で、世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子医務官は十二日、ジュネーブでの定例会見で、世界の医療関係者向けの指針を近く公表すると明らかにした。 

 指針では、抗ウイルス薬は感染患者の大半には必要ないとし、妊婦やお年寄り、糖尿病や心臓病など慢性疾患のある人、重症者には投与を勧める。

 また、感染の中心のメキシコと米国の症例をWHOが調べたところ、新型インフルエンザは今のところ軽い症状の人が多く、抗ウイルス薬の投与が必要なかった人も多かった。入院が必要だったのは10%程度だった。

 ただ、進藤医務官はこの割合が「通常の季節性インフルエンザよりもはるかに高い」とした上で「ハイリスクの人たちと重症者にだけ抗ウイルス薬の投与を勧めるだろう」と述べた。

 解熱鎮痛剤アスピリンの使用は効果が薄く、肝臓を傷める恐れがあると指摘した。

 さらに新型インフルエンザのウイルスが今後、タミフルなどの抗ウイルス薬に耐性を持つように変異する恐れも指摘した。

 

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