JBL2へ本格始動
鹿児島でプロバスケットボールチーム作りを進めるスポーツフロンティア鹿児島(大山亮平代表=写真中央=)は3月3日、鹿児島市の県庁で記者会見を開き、新チームの名称が「レノヴァ鹿児島」(英語表記・RENOVA KAGOSHIMA)に決まったことを明らかにした。
1月30日に日本バスケットボールリーグ2部機構(JBL2)入りが内定し、フロンティアでは2月1〜22日の間で新チームの名称を一般公募した。104件の応募の中から、チームスタッフらで検討し、レノヴァの名称を採択した。バスケットボールを通じて鹿児島や日本のバスケット界に変革(Renovation・維新、革新の意)をもたらしたいという意気込みと、これまでチームの活動の母体となった鹿児島レッドシャークス(RS)のチームカラー赤(Red)を引き継ぎ、バスケット界の新星(Nova)になりたいという想いを掛け合わせて、「RENOVA」という造語を採用した。
今後は3月19日までにリーグへの加盟金(300万円+年会費100万円)を払い、必要書類を提出して正式決定となる。今後も引き続きフロンティアが中心になって選手、チームスタッフなど戦力の充実、県バスケットボール協会からの委託事業の拡充、スポンサー獲得やサポーター集めなど資金・運営面の充実を目指す。3月21〜24日の3日間、鹿児島市の県体育館である「バスケットボールサミット2008」が現在のRSとして最後の活動となり、以後新チーム・レノヴァとして活動を本格的にスタートさせる。大山代表は「鹿児島では前例のない取り組みで、ほかに比べるものがないだけに難しい仕事だと思うが、バスケットだけでなく他の競技とも連携して成功させたい。自分も子供の頃からプレーヤーとしてバスケットに関わっており、やりがいと夢を持っている。自分の全てを注ぎたい」と意気込みを話していた。
レノヴァ鹿児島の公式サイトはこちらから!
コラム「年中夢求」第4回
「数字」にこだわった運営を
新チーム「レノヴァ鹿児島」の誕生を心より歓迎したい。
鹿児島のバスケット界は県協会の鮫島俊秀理事長らが中心になって「鹿児島からスポーツを通じた夢と文化を発信したい」と、教員チームのRSを母体にして国内外のチームを呼んでイベントを開催したり、小中学生のためのクリニック活動を定期的に開催するなど地道な活動を続けてきた。その活動が実を結び、レノヴァがプロ球団として活動を始める。鹿児島ではあらゆるジャンルに先駆けて初めて「プロスポーツ球団」が誕生する。
この活動が成功するか否か、何しろ鹿児島では前例のない取り組みだけに様々な困難が予想される。レノヴァの母体となる現在のRSは4人(ジェローンダッド、今井康輔、藤原岳志、東憲二郎)のプロ契約選手がいて、これに教員や他の仕事を持つアマチュア選手との混成チームである。JBL2には今年10月から始まるリーグ戦にはレノヴァをはじめ9チームが参戦する。現在のJBL2に所属する黒田電気やビッグブルー東京とは、これまでサミットやイベントなどで対戦し、勝利を収めた経験もあり「今の戦力でもJBL2では戦える」(大山代表)。今後は長丁場のリーグ戦を勝ち抜き、その上のJBL昇格を目指すためにも戦力の更なる充実が求められる。
戦力を充実させるためにも、運営を安定させるためにも、資金面の充実は何よりも急務だ。大山代表によると、JBL2で1年間戦うためには年間約5000万円の資金が必要という。現在、オープンバスケット教室やイベント開催などの協会からの委託事業収益、焼酎メーカーなど20社ほどが名乗りを挙げているスポンサー、個人会費などで約3分の2の資金にめどはついているが、今後これらを拡充させて資金面での充実を図る。
今後はあらゆる面で「数字」にこだわった運営を目指してもらいたいと僕は考えている。二宮清純著「勝者の組織改革」(PHP新書)の中にこんな一節がある。「将来に向けたリバイバル・プランが『絵に描いた餅』ではなく明確な『ビジョン』となるには何が必要か。数値目標と期限をはっきりと示せばいいのである。何を、いつまでに実現するのか。それを明確に掲げるのが『計画』というものだ」。これはJリーグで経営危機に陥ったヴァンフォーレ甲府の再生への取り組みを紹介したものだが、レノヴァの成否のカギもここにあるのではないか。
「2年以内にJBLへの昇格」「年間5000万円の運営資金」「20社のスポンサー」「サポーター100万人計画」など、この日の会見でも様々な「数字」が出てきた。これからはリーグが開幕する10月までに戦力、資金、運営、様々な分野に必要な数値目標を定め、それをひとつひとつクリアしていくことが求められる。大山代表はこの取り組みに自分の「夢」をかけると明言した。「夢」をいかにして「かたち」にしていくのか。今後の取り組みに注目したい。
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テーマ:バスケットボール(日本) - ジャンル:スポーツ
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