新着情報 : 平成21年4月5日放送「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー 第1回『アジアの一等国』」に対する公開質問状及び回答書
平成21年4月5日放送「NHKスペシャル シリーズJAPANデビュー
第1回『アジアの一等国』」に対する公開質問状及び回答書
質問状
前略 早速ながら用件を申し述べます。日本を代表する報道機関NHK総合テレビは、国民の財産であるテレビ電波を、国民の「公共の福祉」に貢献して頂けることを前提に、格安な電波利用管理費(年間・NHK・十二億一五〇〇万円)だけで付託され、年間約七五〇〇億円の事業収入を得ています。
ここでの「公共の福祉」とは、国民の知る権利を充たすことであります。
NHKは、平成二十一年四月五日「NHKスペシャル シリーズJAPAN
デビュー第一回 『アジアの一等国』を放送しました。
その番組に対して、日本・台湾の友好親善団体ならびに日・台の有識者から、番組が、偏った視点で制作されていると、尋常ならざる批判が巻き起こっていることは、ご承知のことと存じます。
それは、世紀をこえる日本・台湾国民双方の市民交流にまで、拭いがたい不信感を及ぼしたからに他なりません。
そこで、自由民主党「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は、国民が当該番組に抱いた疑問に則して下記の質問をします。
尚、国民が、報道番組制作者の基本的姿勢を知る為と、貴社番組の質の向上を実現するため、質問は、誤解が生じることのない方法として、択一で回答して頂くことにしました。宜しくお願いいたします。
一、一九一〇年に、ロンドンで開催された『日英博覧会』を紹介した映像で、日本人と台湾パイワン族との「一枚の集合写真」に「人間動物園」と、侮蔑的キャプションを表記していたが、「集合写真」に「人間動物園」と記述してあったか否か。
(イ) 記述してあった。
(ロ) 記述してなかった。
二、「一枚の集合写真」に関して、日英博覧会関係資料に、台湾パイワン族を「人間動物園」と指摘した当時の資料があったか否か。
(イ) 指摘した資料はあった。
(ロ) 指摘した資料はなかった。
(ハ) 調べていない。
三、台湾で実施された「改姓名」(一九三七年)が、強制的に実施されたように報道したが、強制を示す資料があったか否か。
(イ) 示す資料はある。
(ロ) 示す資料はない。
(ハ) 調べていない。
四、公務員は、しかたなく「改姓名」をしたと報道したが、全公務員が「改姓名」をしたことを示す資料があったのか否か。
(イ) 示す資料はある
(ロ) 示す資料はない。
(ハ) 調べていない。
五、台湾の南北400㎞の鉄道建設は、樟脳貿易のために敷設したように報道したが、それを裏付ける資料があったか否か。
(イ) 裏付ける資料はある。
(ロ) 裏付ける資料はない。
(ハ) 調べていない。
六、本来、鉄道建設は、社会基盤整備事業であるが、仮に、貿易のために特化したものとして、当時の台湾貿易統計で、樟脳が占める比率を調べたか否か。
(イ) 比率を調べた。
(ロ) 比率を調べていない。
七、台湾で、神社参拝を強制して、道教を禁止したと報道したが、それを裏付ける資料があったか否か。
(イ) 裏付ける資料はあった。
(ロ) 裏付ける資料はなかった。
(ハ) 調べていない。
八、日本語を話せないものは、バスに乗せなかったと報道したが、行政政策として、指し示す資料があったか否か。
(イ) 指し示す資料はあった。
(ロ) 指し示す資料はなかった。
(ハ) 調べていない。
九、学校・新聞などで、中国語を禁止して日本語を強要したと報道したが、
行政政策として、それを指し示す資料があったか否か。
(イ) 指し示す資料はあった。
(ロ) 指し示す資料はなかった。
(ハ) 調べていない。
十、台湾人女性が日本人と結婚しても、戸籍に入れなかったと報道したが、朝鮮での「創氏改名」は、民事令の改正の中で実施された。
その改正は三項目、一、氏名の共通。二、内鮮通婚。三、内鮮縁組。以上の改正だった。
朝日新聞『朝鮮版』(昭和一五年二月十一日付、中鮮版)には、「内地人同様の待遇 内地人の戸籍に入籍の朝鮮人 京城府が率先実施」との記事がある。
台湾では、朝鮮と違い日本人の戸籍に入れなかったと受け取れるが、行政政策として、結婚しても終戦まで、日本人の戸籍に入れなかったことを指し示す資料があったか否か。
(イ) 指し示す資料はあった。
(ロ) 指し示す資料はなかった。
(ハ) 調べていない。
十一、日中戦争当時、台湾に五〇〇万人の漢民族がいたと報道したが、原住民の人口比率などの資料を精査したうえで示した数字か否か。
(イ) 精査した数字である。
(ロ) 調べていない。
十二、一九一九年、パリ講話会議に於いて、ウィルソン(米国大統領)議長が「民族自決主義」を唱えたことで、東ヨーロッパ・インド・ベトナムなどの独立運動が始まったと報道したが、同講話会議でウィルソン議長は、日本が提出した「人種差別撤廃決議案」が、十九人の委員の内十一人の委員が賛成したにも拘わらず、採択しなかったことを知っていたか否か。
(イ) 知っていた。
(ロ) 知らなかった。
(ハ) 調べていない。
十三、同番組に出演していた柯 徳三氏は、日本で『母国は日本、祖国は台湾』を上梓して、植民地時代の功罪をバランスよく執筆している。しかし、同番組は、柯氏が「罪」だけを語ったこととして放送したが、柯氏は、インタビューにたいして、「功」について語らなかったか否か。
(イ) 「功」も語った。
(ロ) 「功」は語らなかった。
(ハ) 「功」についても語ったが使わなかった。
以上、右記質問は、国民の視点に立脚して、シリーズ・JAPANデビューが、真に「未来を見通す鍵は歴史の中にある」ことを実証して頂きたく、国民の疑問とシリーズ番組の「質」の向上を願って質問させて戴きました。
尚、右記質問、十三問に関して、我が国を代表する報道機関の代表としての誠意ある回答を、書状受け取り後一週間以内に頂けることを願っています。
平成二十一年四月二十八日
「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」
会長
衆議院議員 中山成彬
「日本放送協会」
会長 福地茂雄 殿