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【特別企画】

SaaS + RIAを使ったサービスのローンチに欠かせなかった負荷テスト

2009/05/11

OluOlu - Flex + AlfrescoベースのECM SaaSサービス

アイ・ティ・フロンティアは4月7日、ビジネス顧客を対象としたECM SaaSサービス「OluOlu(オルオル)」をローンチした。企業用途における文書管理、内部統制、ポータルサイト、プロジェクト管理などをSaaSとして提供する。第1弾として、コンテンツ管理サービスとプロジェクト進捗管理サービスが提供開始となり、今後、随時新しいサービスがローンチされていく計画となっている。

ECM SaaSサービス「OluOlu(オルオル)」

「OluOlu」はハワイ語で「快適」を意味する。"顧客のビジネスを快適にする"という目的に合うような、ITを感じさせない覚えやすい名前を検討した結果、最終的にこの単語に落ち着いたという。

OluOluシステムのバックボーンはオープンソースのECM(Enterprise Content Management: 企業向けコンテンツ管理)であるAlfrescoだ。英Alfrescoと提携して必要なサービスを提供してもらっている。またサーバにはLinuxを採用し、その他、ポータルにはLiferay、SSOにはOpenSSOとSAML、プロジェクト管理にはTrac、そして実際にユーザが操作するユーザインタフェース(UI)はAdobe Flex3(Flash9)/AIRをベースとしたRIAを採用している。ブラウザからもデスクトップアプリからもアクセスできるユーザインタフェースからは、バックボーンにAlfrescoが存在するとは想像もつかない。Alfrescoの機能提供APIの筋の良さもあるが、このOSSと商用プロダクトの組み合わせは絶妙なバランスを見せている。

最初はガントチャートが欲しくて……今ではRIAの流れ

山脇一也氏

アイ・ティ・フロンティアでは2002年ごろからエンタープライズシステムにRIAの取り込みを開始した、と語るのはサービス企画本部 OluOlu推進マネージャ 山脇一也氏。最初はガントチャートを実現したいがためにFlashを採用したという。最近では包括的にRIAで実現していく方向になり、さらにFlexが登場してからはより積極的に取り組んでいる。

すべてのプロジェクトを個別に開発するのは膨大なコストがかかる。同社においては2007年ごろから、SaaS基盤の上で再利用によるTCO削減を目指すという取り組みが加速してきたという。もっとも基盤のすべてを作り込むのは無理なので、積極的にOSSを採用、そのうえで使用に耐えない部分や日本向きではない部分は個別に実装し、さらにUIにはRIAを採用して扱いやすさを向上させた。

SaaSにユーザをつなぎとめておくには短い周期でユーザの要望に応えられなければならないと山脇氏は説明する。そうなると人力での対応には限界があるため、自動化できるツールの導入は必須だという。開発はアジャイル手法を取り入れると同時に、ビルドから試験までの自動化を実施。その過程において負荷試験に採用されたプロダクトがBorlandのSilkPerformerだ。

SilkPerformer - Flexアプリケーションにネイティブ対応

SilkPerformerはBorlandが提供している負荷テストツール。さまざまな開発ツールやプロダクトのバージョンアップに迅速に対応しているほか、プログラミング不要でテストスクリプトの製作が可能であること、柔軟なライセンス構成になっていることなどに特徴がある。アイ・ティ・フロンティアはSaaSサービスのローンチにあたり、想定するユーザ数に対応できるか、執拗なまでにパフォーマンス試験を実施する必要があった。したがってこういったプロダクトを使った迅速な負荷試験は必要不可欠だったのだ。

「以前は他の負荷テストツールを採用していたが、今回採用しているFlex関連の機能に対応していなかったため、SilkPerformerを採用したという経緯もある。今までのツールではSOAPで代わりに負荷テストを実施していたが、AMFのパフォーマンス測定には役に立たない。AMFバイナリを可視化するSilkPerformerで、現実的なテストシナリオを作成し、やっとFlexでも通常のWebアプリと同じ感覚でテストできるようになった」(山脇氏)

FlexはRIA開発において魅力的なUIを提供するが、これまでJavaで適用してきた種々のテクニックが使えないため、採用がためらわれていたケースもある。しかしSilkPerformerを使うことでJavaの場合と同様の開発手法が適用できるようになったことは、Flexを使ったRIA開発の推進に弾みをつけるきっかけになりそうだ。

RIAのインタラクション試験を補うSilkPerformer

轟啓介氏

OluOluのようなECM SaaSにFlex/AIRが採用されたことについてアドビシステムズ マーケティング本部クリエイティブソリューション部 Webグループ ディベロッパーマーケティングスペシャリスト 轟啓介氏はこう述べる。

「AIRやFlexのUIは魅力的なものだ。このため、Flex/AIRが出てからはFlex/AIRありきで開発されることが多かった。対してOluOluのケースでは、RIAをRIAたるべきところで使っていてかなりおもしろい事例といえる」(轟氏)

RIA開発における今後の課題は試験の自動化にある、と、轟氏も顧客からよく話を聞くという。

「Flexが使われている分野は、B2Bなら顧客管理/販売管理であったりする。B2CであればECサイトや、イントラネットのポータルなどで使われている。そういった事例においては、品質管理について話が盛り上がったことはあまりない。どちらかというとUIの派手な部分に注目がいって、試験については話題にならなかった。しかしながら、最終的なインタラクションテストは確実に人力作業になるので、"そこをどうやって自動化するのか"という要望は顧客からもらう。今後取り組んでいくべき課題だ」(轟氏)

SaaSとして扱いやすいUIと試験の自動化、そこでアイ・ティ・フロンティアが選択したプロダクト - 顧客の要望を満足させる組み合わせとなったのが、Adobe SystemsのFlex/AIRとBorlandのSilkPerformerだったわけだ。

直接話を聞いてみては

OluOluは短期間でECM SaaSサービスを開発してローンチした事例として、非常に興味深い。特にコンポーネント選定のバランスがよく、高速な実装を実現しつつ使いやすいソリューションとなっている。SilkPerformer + Flex/AIRの採用もバランスの良さに一役買っている。

お二人を中心にしたセミナーを実施する

今回、OluOluの山脇一也氏とアドビシステムズの轟啓介氏を中心に本話題に関するセミナーが実施されるという。参加は無料ということだ。5月20日にアルカディア市ヶ谷での開催となる。(→詳細はこちら)生の声を聞くことでリアルな実感として理解できる。興味がおありの方は参加を検討してみてはいかがだろうか。

セミナーのご案内:ボーランド株式会社

RIA開発におけるテストの重要性、
RIAの現状、エンタープライズでの可能性と品質保証に関して
〜Flexアプリケーションにネイティブ対応、RIAのパフォーマンス管理を実現〜

2009年5月20日 (水)に、ボーランド株式会社主催にて、RIA(Rich Internet Application)の現状と、エンタープライズでの可能性、および品質保証に関して、セミナーを実施いたします。
よりユーザーインタフェースを充実させたクライアントアプリケーション構築をご検討の方、またはRIAのビジネスアプリケーションでの可能性をご検討中の方に、最適なソリューションをご提案差し上げます。
セミナーの詳細はこちらをご覧ください。

<開催概要>
日 時:2009年5月20日(水)13:30〜16:00 (受付開始:13:00〜)
参加料:無料
場 所:アルカディア市ヶ谷(地図
定 員:50名
参加費:無料
詳細・お申込はこちら
お問い合わせ先:ボーランド株式会社営業本部


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