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“稼ぎ頭”死守? 出版連合、ブックオフ筆頭株主に

グルグル回っている漫画の単行本

 大日本印刷と講談社、小学館、集英社の大手出版3社は13日、中古本販売チェーンを展開するブックオフコーポレーションの株式約31%(議決権ベース)を取得すると発表した。新刊本で商売している出版社にとって、読み終わった新刊本を買い取り、中古本として大量に売りさばくブックオフはライバル的存在。今回の株式取得が、同社の営業形態に影響してくるのではないかと気をもむ利用者は多い。

 ブックオフは中古本チェーンの草分け的存在。1990年に神奈川県相模原市に1号店をオープンし、現在では中古本販売のほか、スポーツ用品や子供服の販売店舗など計1040店舗を展開している。

 大日本印刷はグループ企業の丸善などを含め計約18%を保有予定。講談社、小学館、集英社はそれぞれ約4.7%で、いずれも5月20日付で筆頭株主である日本政策投資銀行系のファンドなどの保有株を取得する。

 筆頭株主となる大日本印刷は、株取得について「業界全体の共存関係を構築し、成長を実現するため」と説明。近く具体的な提携策の協議にはいるという。

 今回の動きについて、出版ニュース社の清田義昭代表は「ブックオフは出版界のなかで鬼っ子的な存在だった。書店の店頭に新刊本が並ぶと同時にブックオフで同じものが1−2割の安値で売られる。当然、新刊本への影響は甚大」と指摘。そのうえで、「ただ、ブックオフという業態は出版不況の中ではまだまだ魅力的なビジネスモデル。出版社側も完全につぶしてしまおうとは考えていないはずだ。今回の株式取得によって、中古本市場をうまくコントロールしていこうということだろう」とみる。

 また、ある出版関係者はこう指摘する。

 「(株式を取得する)出版3社は文芸というより、漫画のつながりが大きい。ところが(稼ぎ頭的な存在となっている)漫画の単行本はブックオフの中でグルグル回っている。こうした状況を打開し、漫画の利益をきちんと回収できるシステムを作るのではないか」

【漫画の利益回収が目的か】

 当のブックオフは「弊社も株主側も、現在行っているビジネススタイルを根本的に変えることはないと考えています。店舗の運営は今まで通り続き、具体的な展開は株主とこれから話し合いで決めます」(コーポレートコミュニケーション室)と話している。

 ブックオフでは2007年、不正経理問題などが発覚して経営が悪化。08年3月には、日本政策投資銀行系の2つの投資ファンドがそれぞれ約15%ずつ創業者らから株式を取得し、筆頭株主になった。08年3月期の連結売上高は504億円。

ZAKZAK 2009/05/13

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