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「おくりびと」が影響…カンヌコンペ日本冷遇ナゼ?

アカデミーでの仇を仏で返す

 13日に開幕する第62回カンヌ国際映画祭。最高賞パルムドールを競うコンペティションには、昨年に続いて今年も日本映画が招待されていない。なぜ日本映画へ冷たくなったのかを探ると、あの話題作が影響していることが、分かった。

 「地獄門」「影武者」「楢山節考」「うなぎ」…。カンヌでひときわ存在感を放ってきた日本映画だが、今年は主要4部門に選ばれた日本映画は「ある視点」部門の是枝裕和監督「空気人形」たった1本だ。「2年連続でコンペに日本映画がないのはカンヌの歴史でも珍しい」(現地の映画ジャーナリスト)と話題になっているほどだ。

 今年、コンペには20作が出品されているが、アジアからは中国、韓国、香港、フィリピンがエントリー。審査員も韓国、台湾から映画監督や女優が参加するとあって、日本勢の衰退ぶりが目立っている。是枝監督も、2001年の「ディスタンス」、当時14歳の柳楽優弥が史上最年少で最優秀男優賞を獲得した04年の「誰も知らない」に続く3回目のカンヌだが、過去2本はコンペだった。

 なぜ、日本映画だけが今年も蚊帳の外なのか。

 カンヌに集まった各国の映画評論家たちからは「米アカデミー賞外国語映画賞を獲った『Departures(おくりびと)』の影響だろう」(米国の映画批評家)という声が出ている。

 今年の米アカデミー賞外国語映画賞では、昨年のカンヌでパルムドールだった仏映画「クラス」や、仏も製作に加わって話題度では「クラス」を上回ったイスラエル映画「戦場でワルツを」が最有力候補だった。

 ところがフタを開けると、カンヌから見れば格下のモントリオール世界映画祭グランプリ作品である「おくりびと」に、アカデミー賞をさらわれてしまった。

 「カンヌのプライドはズタズタ。あの2本のどちらかがアカデミーを獲って、外国語映画賞は仏のものだったのに」と仏人映画記者は今も悔しがる。つまり、“ハリウッドの仇をカンヌで返す”的なやり方と見えなくもないのだ。

 その一方で、アカデミー賞授賞式直後の今年3月、パリ近郊で行われた第11回ドービルアジア映画祭に「おくりびと」が招待されたが、現地では大絶賛で、仏映画界も「おくりびと」の質の高さは認めている。

 カンヌのコンペ招待作の選考に影響力を発揮する映画祭ディレクターは仏の映画批評家ティエリー・フレモー氏。2年連続で日本映画をコンペに招待しなかったことが正当だったのか、何年後かには評価が下るだろう。

ZAKZAK 2009/05/13

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