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2009/05/14

昔話-その21-

86年は、「ゲゲゲの鬼太郎 最強妖怪軍団!日本上陸!!」で、はじめて芹川有吾さんとお仕事をさせていただきました。

●レインボー戦隊ロビン「リリにおまかせ」
●魔法使いサリー「ポニーの花園」
●魔法のマコちゃん「パパとデート」
●マジンガーZ「恐怖の三っ首機械獣」「謎のロボット ミネルバX」「甲児ピンチ! さやかマジンガー出動!」「泣くな甲児! 十字架にかけた命」
●魔女っ子メグちゃん「わんわん騒動」

などなど…
子供の頃見ていた"テレビのまんが"の、印象に残っている話はほとんどが芹川さん演出によるものでした。
もちろん子供の頃はスタッフなんて意識して見ていませんでしたが、それほど個性的で素晴らしい演出をされる方でした。

情感的な演出、ドラマを盛り上げる独特の音楽の使い方に加え、コミカルでちょっぴりエッチな部分があるのも芹川さんの演出の特徴でした。
もしかしたら、アニメに初めてキャラ萌えの要素を取り入れた演出家なのかもしれません。

芹川さんのコンテは、文章を全部ワープロ打ちされて、それをコンテ用紙に切り張りするという大変手間をかけた作業をされていました。
また、お話のお好きな方で、芹川さんとの打ち合わせは半日かがりを覚悟しなければなりません。
今から思えば、そんな機会に恵まれていたのに、どうしてもっといろいろなお話を聞いておかなかったのかと悔やまれます…

芹川さんご自身は、絵はお描きにならないからか、絵をあくまでも素材として見ていらっしゃるようでした。
作画に頼らない演出家だったのかもしれません。

ですから、スタンダードフレームのカットを寄りフレームにして兼用したり、2K打ちのタイミングを4K打ちに変えたりという変更を躊躇なくされる方でした。
シリーズではなく仮にも劇場作品でしたので、正直ちょっと戸惑いましたが、枚数制限もありますし仕方なかったのでしょう。
ただ、駄目出しはほとんどされず、褒めてくださるところはしっかり褒めてくださる方でした。

アルバイトなのでクレジットはされていませんが、ガッチャマンなど竜の子作品のコンテもやっていらっしゃったらしいですね。

晩年、お身体の具合が悪かったことは耳にしていましたが、お亡くなりになったのを知ったときにはショックでした。
マジンガーZのDVD-BOXのジャケットを担当させていだいたときには、解説書を担当した赤星政尚君と一緒に、芹川さんのために頑張ろうという言葉を合言葉に取り組みました。

芹川さんとは、翌年「レディレディ!!」でも、またご一緒することになります。

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