交通事故、労働災害などの事故現場に医師が出動する「災害派遣医療チーム(DMAT=Disaster Medical Assistance Team)」を持つ宮崎県都城市立野町の海老原記念病院(東秀史院長)が、市販の四輪駆動車を改造した機動力の高い新ドクターカーを配備した。
■宮崎県都城市の海老原記念病院 鹿児島県霧島市、曽於市にも出動
同病院のDMATは同県内だけでなく、鹿児島県霧島市や曽於市にも頻繁に出動。霧島連山を間近に臨む地域だけに、山道や悪路での事故も少なくなく、集中治療室(ICU)レベルの医療行為が可能な高規格救急車タイプがあっても、既存のドクターカーでは近寄れない場所も多く、早急な人命救助の課題となっていた。
新ドクターカーには、気管挿管や腹腔(ふくくう)ドレーンなどの簡易手術セットのほか、各種医薬品や無線機を装備。各消防機関から出動する救急車とも連携して治療に当たる。
同病院の医療コーディネーター・内山圭さんによると、DMAT発足以来、今月までの2年超で約60件の出動要請があったが、うち約20件で高規格救急車が現場に接近しにくく、医師や看護師が医療キットを抱え山道を1キロ以上も走るケースもあったという。
=2009/05/14付 西日本新聞朝刊=