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【正論】筑波大学大学院教授・古田博司 恥ずかしい国に住んでないか (3/3ページ)
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≪良好な北のエネルギー事情≫
7月には、電力工業省傘下の火力発電局の担当が降りていき、8月には灰処理基本工事を完成、11月からはボイラーとタービンの大々的な補修が報じられた。12月には、北倉郡の近隣で各出力20万キロワットと推定される安州市の清川江と、順川の火力発電所のボイラー並びに発電設備の補修が同時進行中であることも報じられた。
以後、北倉は手厚い支援を受け、08年3月にはボイラーに重油が入っていることが確認され、4月には「工業試験所の技術者たちはボイラーに新しい重油供給装置を全面的に取り入れ燃料効率を高めた」と労働新聞(4月29日付)に載る。
のみならず、先の火力発電所群と同じ北緯39度から40度の間で、元山、金野江、水洞区、寧遠などに、水力発電所が次々に建設された。元山では4基計8万キロワットの水力発電所が、金野江では写真から30メートル級のダムが建設され、寧遠では発電機、タービン、変圧器など新しいものが次々と搬入されていると去年の6月に報じられたが、いまグーグル地図を見ると、中型のダムをそこに認めることができる。目下、北朝鮮のエネルギー事情は良好であり、ウラン濃縮のためには万全の体制が整ったと言えよう。
現在中国は、外貨備蓄を米国債の購入に充てアメリカに無言の圧力をかけるとともに、北朝鮮のエネルギー開発を援助することにより、日本に有形の脅威を間接的に与えている。資本主義はできるが民主主義ができない国々がテロ国家を番犬のように使い、影響力を世界に拡大しようとする戦略は、かつては社会主義で貧乏だった大国が、昔の野望を実現できるようになったということだけなのかもしれない。(ふるた ひろし)
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