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【北京五輪】

【競泳】入江、世界記録に0秒45 LRで日本新 2日で10個

2008年6月8日

 北京五輪壮行会を兼ねた競泳のジャパン・オープン第2日は7日、東京辰巳国際水泳場で行われ、男子200メートル背泳ぎの入江陵介(近大)が世界記録に0秒45と迫る1分54秒77の驚異的な日本記録で泳ぐなど、英スピード社の「高速水着」レーザー・レーサー(LR)を着た五輪代表5人が5個の日本新記録をマークした。

 入江は1月に出した自らの日本記録を一気に1秒76も塗り替え、今季の世界ランキング1位となった。女子200メートル背泳ぎの中村礼子(東京SC)は2分8秒34、男子400メートル自由形の松田丈志(ミズノ)が3分47秒26で泳ぎ、自分の日本記録を更新。非五輪種目では男子50メートル平泳ぎの北島康介(日本コカ・コーラ)が27秒65、女子50メートルバタフライの加藤ゆか(山梨学院大)が26秒34の日本新を出した。

 第1日を含めてLRを着た五輪代表による日本新は10を数えた。この日の決勝と9−16位決定レースに出場した五輪代表24選手のうち、19人がLRを着用した。

◆加藤「自信になった」

 ○…どよめきが場内に広がった。「調整をしてないのにこの記録。すごく自信になりました」。女子100メートルバタフライ北京五輪代表の加藤は、50メートルバタフライで自らの日本記録を0秒38縮めた。

 LRを着るのに3人がかりで25分かかったが、「水に入った瞬間に水と一体になれた。最初の15メートルの水中ドルフィンが速かった」。それだけに「(前日の)100メートルでも着ておけばよかった」と少し悔いも。

◆入江、後半グイグイ 「最高の泳ぎ」

 世界記録まで0秒45差に迫る好記録。男子200メートル背泳ぎで、18歳の入江が北京五輪のメダル候補に名乗りを挙げた。

 後半の伸びが驚異的だった。持ち味の安定した泳ぎでぐいぐいと加速。後半の100メートルは58秒38で、ロクテ(米国)が世界記録を出した時の58秒65を上回った。

 「(後半は)ひとかきごとに進み、泳いでいて気持ち良かった。もう一度、『泳げ』と言われても自信がない」と振り返ったほど、完成度は高かった。

 LRの特性も存分に生かした。バサロが苦手な入江にとって、ターンで差をつけられることに悩んでいたが、推進力に優れたLRの効果で弱点をカバー。指導する道浦健寿コーチは「体が浮いていた。最高の泳ぎだった」と効果を認めた。

 五輪の表彰台がちらつき始め、入江の目標も徐々に高くなってきた。

 「1分54秒台は自分には関係ないと思っていたが、本当にメダルを狙える位置に来た。前半を55秒台にして、世界のトップと同じくらいのラップにしたい」

 ロクテや、アテネ五輪金メダルのピアソル(米国)らに割って入ろうとする気概は十分だ。

 (堤誠人)

 

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