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「韓中間の誤解をぬぐうには文化の力を生かせ」

 「昨年の北京オリンピックの開幕式・閉幕式で、張芸謀(チャン・イーモウ)監督は中国の伝統文化を世界の人々に余すところなく見せてくれたという錯覚に陥ってしまった。だが、それは西洋化された観点による自我の誇示で、中国が弱小国だということを、自ら示したにすぎない」(中国・北京大学のシャオ・イェンズィン教授)

 「中国の韓流ブームが韓国に対する好感度に結び付いていないのと同様に、韓国の華流ブームは韓国人の中国に対する好感度につながらないという“非対称現象”が存在している。これは、両国の国民が理解し合えていないためだ。互いの漠然とした先入観を打ち消す原動力になるのは、両国の文学作品だろう」(韓国人小説家のキム・ジュヨン)

 7日にソウル・オリンピック・パークテルで開幕した第2回韓中文化芸術フォーラム(ユ・ジェギ代表)で、両国文化・芸術関係の識者らは「2国間の誤解をぬぐい去り、21世紀の北東アジア時代を切り開くには、政治・経済交流だけでは足りない。国境を越えた文化や芸術の力を生かさなければ」と口をそろえた。チェ・ジョンホ蔚山大碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)は基調演説で、「20世紀の世界化が“西欧化”だとしたら、21世紀の世界化は“脱西欧化”であり、これは“世界化のアジア化”を意味する。グローバル体制の中での北東アジアの浮上は、必然的に同地域国家間の政治・経済的連帯と協力が必要だが、“文明の東漸(勢力が東方へ伸びること)”の大前提は文化的相互理解」と強調した。

 「脱西欧化」問題に関連し、シャオ教授は「中国が世界とつながっていく過程は、中国化を捨てる過程だった。中国が今、世界に輸出しているのはテレビという商品であって、その中にある思想や観点ではない」と指摘した。そして、「北京オリンピック以降、中国人たちは西欧化が生み出した従来の秩序や規則に従うのではなく、自ら規則を決め、“ソフトパワー”を発展させていかなければならないという課題を持つようになった。韓国が一時、漢字を捨てハングルだけを使用したのも、歴史を絶ち切り、西欧化しようと考えたもの」と主張した。

 8日まで続く今回のフォーラムで、韓国と中国の識者らは相互理解のため▲演劇(発表者:演劇家パク・ジョンジャ)▲文学(小説家キム・ジュヨン)▲映画・テレビドラマ(ツァイ・ズィンジエ中国映画基金会副会長)▲建築(建築家キム・ウォン)▲色彩(ニュ・コーチョン中国芸術研究員)▲陶芸(チュ・ローゴン中国工芸美術学会)▲音楽(ハン・ミョンヒ芸術院会員)とアジア民族楽団(パク・ボムフン)の交流を強調し、アジア文学賞の制定や韓中翻訳院の設置などについて話し合う。

写真提供=韓中文化芸術フォーラム

池海範(チ・ヘボム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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