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◆阪神1x―0広島(12日・甲子園)阪神・金本のメモリアル弾で、阪神が劇的なサヨナラ勝ちを演じた。0―0で迎えた9回無死、左翼席へ球団通算7000号となる9号ソロ。同い年の先発・下柳も9回を投げ切り、03年以来、6年ぶりの完封勝利を飾った。投打にわたるアラフォーコンビの活躍で6連戦の初戦に勝ち、19日の交流戦開幕までの借金完済へ、最高のスタートを切った。
本塁で待ちわびる仲間の元へ、満面笑みの金本はゆっくりと突入した。歓喜の輪の中に入り、激しくも、楽しげなナインとの格闘。サヨナラ勝利で決めた球団通算7000号のメモリアル弾。お立ち台で「チームのみんながごちそうしてくれると思います」と、手荒い祝福をした後輩たちに、笑顔でおねだりした。
9回無死、カウント1―1からの3球目だった。右翼から左翼方向へ、甲子園特有の浜風が吹いていた。「ホームランは狙ってなかったんですけど、風に乗ってくれました」逆方向に打ったとは思えない強い打球が、客席に届いた。
どうしても、打ちたかった。実は、左翼の定位置から、何度もマウンド上の同級生に謝罪していたという。9回を投げて得点を与えなかった下柳に、打線の援護は8回までゼロ。「シモ、悪い、悪いと思いながら、守っていました」胸の内を告白した。
今季、3度目のサヨナラ打。40歳以上のサヨナラ本塁打は1991年の門田(ダイエー)以来、史上4人目の快挙だった。神懸かり的な打棒。その理由を「ただ、勝ちたいだけです」という。4月の月間MVPを受賞。8日の受賞会見では「まだ、みんな力を出し切ってない。優勝しか考えていない」とゲキを飛ばし、仲間を鼓舞した。
体に起こった“異常”も、強い精神力で乗り越えた。開幕前に痛めた右内転筋は、4月下旬には状態がピークに達した。権田トレーナーは「右足の付け根部分が、開幕時よりかなり細くなっていました」と明かした。肉体が示す危険信号も無視し、プレーを続けた。
6連戦の初戦を劇的な勝利で飾り、「交流戦までの借金返済に、いい形で入っていけた」と真弓監督。5勝1敗と掲げたノルマに向け「十分計算していける」と、自信たっぷりに言い切った。
(2009年5月13日10時55分 スポーツ報知)
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