医療安全調、大綱案での創設に賛成意見なし―国会議員シンポ
国会議員シンポジウム「医療版事故調−国会での十分な審議と早期設立を求めて―」(主催=患者の視点で医療安全を考える連絡協議会)が5月12日、東京都内で開かれ、主要6政党の国会議員らが参加した。各党の議員からは、医療事故の死因究明などを担う第三者機関の創設自体に対する反対は出なかったものの、厚生労働省が昨年6月に公表した「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」のまま制度を創設することへの賛成意見もなかった。
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自民党の古川俊治議員は、「医療版事故調の創設は必要だと考えている」と述べる一方、医療現場の委縮を防ぐ観点から、医療安全調による調査を警察の介入に優先させる必要があるとの認識も示した。また、公明党の福島豊議員は、「医療における業務上過失致死の判断基準を不明確にしたままでは、うまく機能しないという指摘がある」と述べ、医療安全調を創設するには、こうした懸念を解消する必要があると指摘した。
民主党の足立信也議員は、「医療版事故調査機関の設置は必要だと思う」とする一方、「新しい組織をつくり巨大にしていく必要は全くない」と述べた。厚労省の大綱案については「義務を課し、罰を与える職権主義で解決できるのか」と、有効性を疑問視した。
共産党の小池晃議員は「今後は、大綱案を土台に議論していく必要がある」とする一方、医療安全調の設置目的を事故の原因究明と再発防止に限定することや、厚労省ではなく内閣府内に設置することなどを主張した。
社民党の阿部知子議員は、「警察への通報や行政への通知の仕組みが組み込まれている限り、責任追及を分離したシステムにはならない」と訴えた。医師などの行政処分を検討する医道審議会の機能充実も提言した。国民新党の自見庄三郎議員は、遺族救済のための無過失補償制度の創設を主張した。
更新:2009/05/12 23:45 キャリアブレイン
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