朝青龍完敗「ファ~」風呂で奇声/夏場所
<大相撲夏場所>◇3日目◇12日◇東京・両国国技館
横綱朝青龍(28=高砂)が、早くも黒星を喫した。苦手の西前頭筆頭安美錦(30)に立ち遅れ、あっさりと押し出された。横綱昇進後、3日目までに敗れた13場所中、優勝は3回のみ。24回目の優勝に暗雲が漂ってきた。
朝青龍の奇声が、ふろ場にとどろいた。「ファ~~」。何もできなかった自分が許せず、やり場のない怒りを声に示し、シャワーで頭を冷やした。
完全なミスだった。初日、2日目と立ち合いは右の張りだったが、この日はかち上げを狙っていた。だが、踏み込みが甘く、低く鋭く当たってきた安美錦に上体を起こされた。いつもなら、ここで足を横に運ぶが、相手の左からのおっつけもあり、苦し紛れにまっすぐ引いてしまった。土俵際で左を差したが、既に両足は俵の外に。スキのない速攻相撲が持ち味の横綱が、わずか2秒3で完敗した。
土俵上で首をひねり、支度部屋へ引き揚げる花道では、付け人に「立ち合いに失敗した」とつぶやいた。あまりのショックに表情を失っていたが、ふろ場で感情があふれ出した。報道陣の前でも唇をかみ、「立ち合いで見てしまった。攻めたかった。悔しいな。完全な失敗だ」と吐き捨てるように言った。
場所初日2日前にモンゴル力士コンペを主催したのは、けいこで好調を感じての余裕の表れでもあった。だが、最近5場所で2度も土をつけられた安美錦に、足をすくわれた。過去のデータでは、横綱昇進後3日目までに敗れた13場所中、優勝は3回で、途中休場は4回もある。自身を一度は引退危機に追い込んだ左ひじ痛はいまだに癒えていない。近い関係者も「前半のうちにもう1敗すれば、集中力を切らしてしまうかも知れない」と心配の声を上げた。
肩を落とし、駐車場に向かう通路で師匠高砂親方(元大関朝潮)の実母が亡くなったことを知らされ、さらにショックを受けた。「えっ、マジで。本当に…」。部屋のパーティーであいさつをする程度の面識だったが、師匠が抱えた悲しみを想像し、言葉を失った。気持ちの強さで23回も優勝を重ねた28歳は、ここから立ち直れるだろうか。【柳田通斉】
[2009年5月13日9時19分 紙面から]
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