日中の最高気温が25度以上の「夏日」が続出し、県内外の商業施設で夏物商戦が早くも加速している。昨秋からの経済不況で消費が落ち込む中、各店は春物セールや定額給付金を見込んだセールなど、夏のセールを前倒し、売り上げばん回に向けあの手この手の商戦を展開している。【安部拓輝、南文枝、後藤由耶】
大津市打出浜、大津パルコの各店には、春夏物のTシャツやカットソー、ショートパンツなどが並ぶ。「明日からでも着られる商品がよく売れている」と営業担当者。4月下旬から値下げを始めたテナントもあるという。「不況でお客様の財布のひもはかなり固い。早め早めに手を打っています」
低価格のカジュアル衣料が主力の「ユニクロ」大津パルコ店では、半袖ポロシャツやTシャツが人気で、売り上げを大幅に伸ばしているという。
隣の西武百貨店大津店では、31日まで全館で「定額給付金支給記念」と題して春物セールを開催中。京都・四条烏丸付近の大丸京都店も20日、「定額給付金でお買い物上手」という企画で、1200円均一や2着で5250円のコーナーを設ける。担当者は「この時期は、昨年までは夏物トレンドを前面に出していたが、今は『お手ごろ価格』が大事。今すぐ着られる春物を目玉に、新作の購買力も高めたい」と話す。
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夏の日差し対策商品も充実してきた。草津市渋川1の百貨店「草津近鉄」では、4月末から日傘や帽子、手袋などを本格販売。化粧品メーカーによるUVカットの下地やファンデーションも登場している。
同市上笠2のドラッグユタカ西草津店は日焼け止め約60種類、制汗剤約40種類をとりそろえる。最近の晴天で、300~600円程度の商品がよく売れているという。また、外出中に部屋の害虫を駆除できるくん煙剤や虫除け剤などの需要も増えてきているという。
毎日新聞 2009年5月13日 地方版