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スローセックス実践講座(11)「イク」より大切な「感じる」

スローセックス実践講座 イギリスのコンドームメーカー・デュレックス社が、昨年行った世界のセックス意識調査によれば、日本人のセックスの満足度はたったの15%で、26カ国中最下位でした。非常に残念な結果となった原因のひとつが、日本人の大多数が、「イク」ことをセックスの目的にしていることです。

「イク」ことに重心が傾きすぎたセックスは、どうしても、イケたら満足、イケなかったら不完全燃焼という短絡的なセックスに陥りやすいのです。

 対して、スローセックスの最大のテーマは、「感じる」を楽しむことです。

 本当に多くの男女が混同しているのですが、「イク」と「感じる」は、似て非なるものです。私のスクールでは、両者の違いを説明するとき、“水の入ったコップ”を例に出します。「感じる」とは、コップに水が注がれてたまっていっている状態。そして、「イク」とは、水面がコップの上まで来てコップから水があふれ出す瞬間のことです。

 “たまっている”と“あふれ出す”では、まったく現象が違うのです。

 食事(食欲)に置き換えれば、両者の違いがもっと明確にイメージできます。イク=「満腹」で、感じる=「味わい」です。若いころなら、おなかが膨れることが何よりも重要だった食の価値基準が、年齢を重ねるにつれて、量は少なくてもいいから美味しいものを数多く食べたい、という風に変化してきますよね。実は、セックスも食生活同様に、量から質へ変化していかなければ、年齢に応じた満足度は得られないのです。

 過去の射精を思い返してみてください。同じ射精でも、“満足のいく射精”もあれば、“残念な射精”もありませんか?

 この快感の差こそ、射精の寸前にコップにたまっている水量の差に他なりません。男性が、女性をイカせたくてもイカせられなかったのも、多くの女性がセックスの現状に不満の声をあげるのも、男性が、女性のコップに「感じる水」を満足にためてあげられなかったからです。

 スローセックスとは、愛する男女が時間を忘れて“感じる”を楽しむことで、性的エネルギーの総量を限界まで高めていくセックスです。自然と、セックスにかける時間も、2時間、3時間は当たり前の世界になります。当然、性的エネルギーはコップに並々とたまることになり、自然と爆発現象に至るのです。

 イクは「目的」ではなく、セックスの醍醐味である、感じるを楽しんだ2人へのご褒美という「結果」であると心得てください。

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アダム徳永(セックスセラピスト)
 1000人以上の女性とのフィールドワークを経て、アダム性理論を確立。スローセックスの生みの親に。話題作「スローセックス実践入門」は20万部を超えるベストセラーに。最新刊は「スローセックス完全マニュアル」(いずれも講談社)。
六本木「セックススクールadam」=http://www.adam-tokunaga.com/

■スローセックス実践講座
(1)テクニックより思いやり、やさしさで
(2)超ソフトタッチをマスターしよう
(3)挿入のみがセックスにあらず
(4)圧迫と振動が性感を開花
(5)本当に正しいGスポット愛撫法
(6)1.5センチ奥の究極の性感帯
(7)“会話”こそが和合秘術
(8)女性が全身性感帯である理由
(9)女性を絶叫させる“Tスポット”
(10)愛撫は舌と指のどちら?

投稿日: 2007年12月05日

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