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公開日:2009.05.13
経済研究室
2009(平成21)年4月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,329件、負債総額が5,219億4,900万円となった。
倒産件数は、前年同月比114件増(9.3%増)と11カ月連続前年同月比増加となり、4月としては、2003年(1,495件)以来、6年ぶりに1,300件を上回った。
産業別では、製造業倒産が同36.0%増と増勢ぶりが目立つ。こうした一方で、件数増加率が5カ月ぶりに1ケタ台に低下し、さらに都道府県別件数では、前年同月比減少が23道府県、増加が21都府県となり、11カ月ぶりに前年同月比で減少が増加を上回るなど、ここにきて「緊急保証制度」等の金融支援効果が窺われる動きもみられる。
負債総額は、前年同月比1,961億3,600万円減(27.3%減)で、8カ月ぶりに前年同月を下回った。
倒産件数は10産業のうち8産業で前年同月比増加
増加率は、金融・保険業83.3%増(6→11件)、農・林・漁・鉱業50.0%増(6→9件)、情報通信業37.5%増(32→44件)、製造業36.0%増(175→238件)、卸売業19.2%増(171→204件)、運輸業14.0%増(50→57件)、不動産業5.5%増(54→57件)、サービス業他0.8%増(249→251件)の順。
これに対して減少は、小売業5.5%減(144→136件)と建設業1.8%減(328→322件)の2産業だった。
※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。
倒産件数9地区のうち5地区で前年同月比増加
増加率は、関東25.3%増(418→524件)、中部23.8%増(105→130件)、近畿12.6%増(316→356件)、北陸10.3%増(29→32件)、中国1.8%増 (55→56件) の順。 これに対して減少は、四国26.4%減(34→25件)、北海道24.3%減(74→56件)、九州18.6%減(107→87件)、東北18.1%減(77→63件)の4地区だった。
また都道府県別倒産件数では、前年同月を上回ったのが21都府県、減少が23道府県、同数が3県となった。前年同月比で減少が増加を上回ったのは、2008年5月(増加22、減少23、同数2)以来、11カ月ぶりのこと。
・北海道:件数が2カ月ぶりに前年同月比減少。前月に続いて事業者向け貸金業者の大型倒産が発生。
・東北:全体の件数が3カ月連続前年同月比減少。県別件数では、宮城を除いて前年同月比減少。
・関東:全体の件数が4月としては2003年(548件)以来、6年ぶりに500件を上回った。県別件数では、茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川で前年同月比増加。
・中部北陸:中部は件数が4月としては3年ぶりの130件台となり。北陸が2カ月連続前年同月比増加。県別件数では、長野、静岡、愛知、三重、福井で前年同月比増加。
・近畿:全体の件数が4月としては2001年4月(362件)以来、8年ぶりに350件を上回った。県別件数では、大阪、兵庫、奈良で前年同月比増加。
・中国:全体の件数が13カ月連続前年同月比増加。県別件数では、岡山、広島、山口で前年同月比増加。
・四国:全体の件数が8カ月ぶりに前年同月比減少。県別件数では、高知のみ前年同月比増加。
・九州:全体の件数が3カ月連続前年同月比減少、県別件数では、宮崎と沖縄で前年同月比増加。
※地区の範囲は以下に定義している。 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨) 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重) 北陸(富山、石川、福井) 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山) ◎産業別件数:製造業と卸売業が8カ月連続前年同月比増加。
◎産業別件数:建設業は2カ月連続前年同月比減少、全国9地区のうち7地区で前年同月比減少
◎上場企業倒産が2件発生、今年は4月末時点で累計16件
◎従業員被害状況:従業員被害者数は1万1,537人、15カ月連続の1万人超え
◎原因別:販売不振が前年同月比9.8%増の890件
◎メーカー減産が影響した倒産が38件発生
◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同月比9.6%増の1,319件 (株)中央コーポレーション/愛知県/不動産開発、賃貸、繊維事業ほか/34,000百万円/民事再生法 小木津産業(株)/茨城県/ゴルフ場経営/23,800百万円/特別清算 (株)カナサシ重工/静岡県/造船業/21,800百万円/会社更生法 アシストテクノロジーズジャパン(株)/東京都/半導体関連装置製造/18,658百万円/会社更生法 (株)中沢ヴィレッジ/群馬県/ホテル経営/16,800百万円/民事再生法
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