2009年5月13日6時30分
愛知県蟹江町の会社員山田喜保子さん(57)方で一家3人が殺傷された強盗殺人事件で、家族のサイズと比べて不自然に大きいウインドブレーカーが自宅内で見つかっていたことが12日、県警特別捜査本部への取材でわかった。けがをした三男(25)に確認したところ「見たことがない」と話したという。
特捜本部は犯人の遺留品の可能性が高いとみており、付着した毛髪の有無や血液反応を調べて、所有者を特定するとともに、ウインドブレーカーの販売元の割り出しを進める。
捜査関係者によると、ウインドブレーカーは、ややぬれた状態で玄関付近の床の上にあった。色はモスグリーンで、見てわかるような血痕は付いていなかったという。
犯人は喜保子さん、次男のケーキ店店員雅樹さん(26)を殺害し、三男の会社員勲さんを刺傷した際に返り血を浴びたとみられ、ウインドブレーカーの血を洗い落としていた可能性がある。これまでの現場検証でも、洗面所や風呂場からは血を洗い流したとみられる毛布やタオル、血が付いた衣類が大量に見つかっている。
また、ウインドブレーカーのそばには、床をふき取ったようなぬれたタオルも残されていた。犯人は少なくとも約10時間以上、室内にとどまり、床の血をふき取ったり、血がついた衣類を洗濯したりしていたとみられている。特捜本部は、犯人がこうした証拠隠滅作業をする際に、ウインドブレーカーを着ていた可能性もあるとみている。
犯人とみられる男は2日午後0時20分すぎ、通報で駆けつけた蟹江署員に一度目撃され、その後、署員が目を離したわずかなすきに自宅勝手口から逃げたとされる。この際、ウインドブレーカーを現場に忘れた可能性があるとみて、特捜本部は、ウインドブレーカー以外にも犯人の遺留品がないか、衣類などの選別作業を進めている。