2005年12月09日

ホスピタリティとサービスの違いA

ホスピタリティとサービスの違いがよくわからない」
講演の打ち合わせなどでよく質問されます。

反対に私から「サービスという言葉の持つ意味をどのように解釈されていますか」という少々意地悪な質問をすると、多くの方々は返答に困ってしまわれます。

私はこのサービスという言葉ほど曖昧な言葉は他にないと考えています。曖昧な言葉であるため、人は「自分勝手」にサービスという言葉を使用してしまいます。

サービスタイム  リップサービス ゴルフのサービスホール(後述) サービス残業 

サービスの意味するものが皆違いますね。

特にサービス残業の「サービス」は法律にも関係してきます。
「無料奉仕」「勝手に奉仕」の意味ならまだ良いのですが、そうではない場合には「違法残業」とも解釈されてしまいます。

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例えば、「サービスについて討論しよう」という状況を想定してみてください。ある人はサービスとは「割引きである」ととらえ、ある人は「増量することだ」ととらえるでしょう。ある人は「気持ちの問題」ととらえ、別な人は「無料化こそサービス」と言うことになるでしょう。

新聞の株式市況欄を見て下さい。「サービス」の部門にもたくさんの職種があることに気づくことでしょう。このようにそれぞれの人が別々な言葉を用い、別々な解釈をすることは、混乱を招く元になってしまうのです。

「すべてのゲストがVIP」ディズニーランドで教えるホスピタリティ 本文より
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ゴルフのサービスホールとは「距離が短いホール」のことです。

「7番ホール パー4 距離275ヤード」

通常パー4のホールは、レディースではない場合、距離の平均は350ヤード位と思われますが、このように極端に短いホールを持つゴルフ場もありました。

サービスの提供者側は「距離が短くパーやバーディーが取りやすい」という意味で「サービスホール」と呼んでいるようですが、ゴルファーにとっては首をかしげたくなる解釈です。

なぜならば、意図的に距離を短くしているのではなく、地形上の問題から「サービスホール」にせざるを得ない場合も含まれるからです。
つまり、ゴルフ場側の都合で「本来の距離が確保できないホール」をサービスホールと呼んでいるのです。

ゴルフは「困難」にチャレンジするスポーツです。距離を短く設定することは「楽をさせて良い成績をとらせる」ことを意味します。

このサービスホールのサービスを日本語にすると何でしょうか。
「簡単」でしょうか、「楽」でしょうか・・・

このように、サービスという言葉が「好き勝手に」使用されている日本、ホスピタリティの概念と比べることは実に難しいことです。

しかしながらホスピタリティ・ブログNO1を目指している当ブログですので、皆さんに少しずつでも「ホスピタリティとサービスの違い」を理解していただけるように努めてまいります。

以前にこのように書きました。
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乱暴な例えですが、それぞれが「提供しているサービス」をワードやエクセルのようなアプリケーションであるとすれば、ホスピタリティとは「提供しているサービス」の根底をなすもの、ウインドウズのようなOS(基本ソフトウエア)のようなものと言えるのではないでしょうか。建物と土台のような関係と言うこともできます。

サービスを提供している人の根底、根幹であるホスピタリティ。
それは、全ての「ヒト」の心根にある「おもいやり」や「良心」であると私は考えています。
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ホスピタリティとは何でしょうか?
その「何か」に近づくために簡単な表をつくってみました。

領域の広いホスピタリティ概念@.pdf

この表をもとに、まずはじっくりと考えてみてください。

そして、もう一つ忘れてはならないことがあります。
それは、ホスピタリティという言葉は元々キリスト教の用語であったということです。
「旅の途中である客人の保護者」としての精神です。
そして、その旅とはキリスト教の巡礼を指しているのです。

もちろん「ホスピタリティは宗教である」などとは申しませんが、ホスピタリティという概念を実感する「時」とは・・・そう、クリスマスの「清しこの夜・・・」 その「時」でしょう。

それでもこのブログは、ホスピタリティ・ビジネスにおける「ホスピタリティとは何か」を追求しています。

ホスピタルのホスピタリティからテーマパークのホスピタリティまで、「人と人がコミュニケートする現場でのホスピタリティ」を追求しています。

なぜならば、接客現場においてお客様が「ホスピタリティ」を実感できなければ、ビジネスとして全く意味のないことであるからです。

「ホスピタリティとサービスの違い」を理解していただけるには時間がかかるものと思いますが、理解していただくためには

「ホスピタリティを構成する3大要素(安全、思いやり、居ごこち)について、十分に説明していくことが大切である」

そのように考えています。

領域の広いホスピタリティ概念は完成されたものではありません、時々「上書き」をしていく予定です。ご了承ください。