宮城県が全病院に意向調査 新型インフル

幼稚園関係者に新型インフルエンザへの対応を説明する岩崎副市長

 国内で新型インフルエンザの感染が拡大した場合に備えて診療可能な医療機関を拡充するため、宮城県は12日までに、県内の全病院を対象に発熱外来の設置や入院患者の受け入れに関する意向調査を始めた。感染の広がりに応じて、協力病院を追加する。

 県はこれまで、県循環器・呼吸器病センター(栗原市)など6病院に発熱外来を設置し、計34床で入院治療を行う態勢を整えた。病床が不足すれば、同センターの40床を加える。

 感染の急速な拡大で、患者数が増える事態を想定し、あらかじめ医療機関を確保しておく。県内の病床数20床以上の140病院に対し、協力できるかどうかを尋ねる調査表を配布した。

 既に呼吸器科医や内科医のいる一部病院から、発熱外来開設に前向きな回答を得ているという。
 新型インフルエンザは弱毒性と見られ、ウイルスの流出を防ぐために気圧を低く保つ「陰圧病棟」の無い一般病院でも診察が可能と判断した。協力病院には、医療スタッフが身に着ける感染防護用のエプロンやマスクの配布を検討している。

 県医療整備課は「現態勢でも対応できると考えているが、万が一のときには、速やかに医療機関を追加できるよう準備したい」と話している。

◎仙台市、対策を強化 市立学校など対象連絡会議開催

 仙台市は新型インフルエンザの対策強化に乗り出した。感染予防を啓発しようと、保育所や幼稚園の設置者、市立小中学校と高校の教頭を対象とした緊急連絡会議を開催。市内で感染が広がった場合に備え、医療態勢の構築を急いでいる。

 12日、青葉区のエル・パーク仙台で民間幼稚園の連絡会議を開催。園長や養護教諭ら約60人を前に、岩崎恵美子副市長が「ドアノブをまめに消毒し、手洗いを徹底してほしい」と感染予防策を説明した。

 やまびこ幼稚園(太白区)の伊藤早苗養護教諭は「鼻水やくしゃみの始末を正しくできるよう子どもに教えたい」と語った。

 市は12日までに、世界的大流行(パンデミック)への対応を示したメディカル・アクションプログラムを策定。市医師会と連携し、診療所や病院に患者受け入れの協力を呼び掛ける。医療機関に配布するマスク14万枚と治療薬タミフル8200人分を手配した。

 梅原克彦市長は12日の記者会見で、中国本土初の感染者と一緒に国際便に乗ったほかの都道府県の2人が9日に仙台市のホテルに立ち寄ったことを明らかにした。

 2人は宿泊をキャンセルし、その後、連絡は取れていないという。梅原市長は「2人は濃厚接触者ではなく、感染が広がる心配はないと考えている」と説明した。


2009年05月13日水曜日

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