小沢辞任で胸なでおろす検察と大手マスコミ |
[政治]
2009年05月13日 08:40 更新
11日、小沢民主党代表が辞任を表明した。検察と大手マスコミは、胸をなでおろしているのだろう。
西松建設による違法献金事件で逮捕・起訴された小沢代表の秘書への容疑は「政治資金規正法違反」である。小沢代表側にはそれ以上の逮捕者も出ていなければ、容疑もかけられていない。政界への捜査が始まって以来、大手マスコミは検察リークに踊らされて、あたかも小沢代表自身が関与した疑獄事件に発展するかのような記事を垂れ流した。しかし、小沢代表自身への事情聴取も、ほかの政治家への捜査もないまま、全てが尻すぼみに終わっている。一体、あの騒ぎは何だったのだろう。検察からの正式な発表も、大手マスコミによる反省もなく、小沢氏の代表辞任で事が終わるというのでは、あまりにも無責任ではないだろうか。
新聞報道などが正しければ、検察側は小沢代表側に対して、あっせん利得による立件を目指したと思われる。東北地方を舞台にした公共事業を小沢代表側が仕切り、その見返りに政治資金の提供を受けたという構図である。しかし、今日までに再逮捕もなければ、追起訴もないまま小沢氏の秘書の公判が始まろうとしている。検察の思惑は外れたということになる。小沢代表が辞任しないまま総選挙に突入し、民主党が政権を奪取していたら、大変なことになっていただろう。もちろん、検事総長の首が飛ぶ程度では済まなかったはずだ。
また、小沢氏が代表のまま秘書の公判が始まっていたら、これまた事態はどう展開したか分からない。公判を通じて、検察の捜査に無理があったと明らかになった時点で、小沢代表への支持が戻るという可能性は否定できない。そうなれば、大手マスコミは恥も外聞もなく検察批判を展開していただろう。小沢代表の秘書の公判日程が決まらないのは、検察がぎりぎりまで辞任を待ったからではないのか、そうした疑念は消えそうもない。
一方、大手マスコミは自らのリーク記事の誤りには何一つ言及することなく、連日「小沢辞めろ」の記事を繰り返し流してきた。すべてを小沢氏の進退に集約しただけで、誤報への反省は皆無だ。彼らには記者クラブを独占して、「真実」を報じていると胸を張る資格はない。
検察・大手マスコミ、ともに小沢氏の代表辞任で面子を保ったということになる。しかし、これで終わるようなら「政治と金」の問題は、またしても解決されなかったことになる。
【頭山】
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