「商品券」による賃金支給に批判の声
韓国政府の雇用事業
低所得層25万人に生活環境の整備や公共施設の改修・補修といった働き口を用意する「希望勤労プロジェクト」が来月から本格的に施行される。
この事業は、韓国政府が事業費1兆7000億ウォン(約1355億円)を投入し、低所得層の失業者、休業・廃業した自営業者、世帯主の女性などに生計支援を行うというもの。ところが、賃金の一部を市場などで使える商品券で支給する方針に対し、批判の声が上がっている。
行政安全部が10日に発表したところによると、希望勤労プロジェクトの参加希望者を11日から全国246の地方自治体で募集し、来月から25万人に対し6カ月間、一時的な働き口を用意するという。
対象者は、世帯の所得が最低生計費(二人世帯で月83万6000ウォン〈約6万6700円〉、4人世帯で月132万7000ウォン〈約10万5800円〉)の120%以下、財産が1億3500万ウォン(約1076万円)以下で、年齢が満18歳以上の人。失業者や休業・廃業した自営業者が優先的に、また原則として世帯あたり1人が選抜される。賃金水準は1日8時間・週5日勤務で月に83万ウォン(約6万6200円)程度で、交通費などは1日3000ウォン(約239円)が別途支給される。プロジェクトへの参加申請は、居住地の邑・面事務所あるいは洞住民センターで行えばよい。
一方、賃金の30%から50%を市場などで使える商品券で支給するという点に対し、批判が起こっている。商品券は1000ウォン(約79円)券・5000ウォン(約398円)券・1万ウォン(約797円)券の3種類からなり、流通期限は3カ月。また広域自治体・基礎自治体間の合意により使用地域が拡大されたとはいえ、使用は原則として発行した市・郡・区内に限定されている上、大規模な店舗(スーパーマーケット、専門店、百貨店、ショッピングセンター)や企業型のスーパーで使うことはできない。行政安全部は、商品券での支給について「迅速な消費を誘導し、地域経済を活性化する」という名分を掲げている。
パク・ヨンソク記者
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