去年12月、イスラエル軍による攻撃に見舞われたパレスチナ暫定自治区ガザ。空爆と侵攻によって破壊され、多くの犠牲者を出した。3月に入り国際社会はガザの復興支援に乗り出した。しかしガザの復興と和平への道のりは、遠い。
今から16年前の1993年、オスロ合意が結ばれ、国際社会はパレスチナ和平に期待を寄せた。2005年にはイスラエルがガザの入植地から完全撤退し、パレスチナ人の独立国家建設が期待された。しかしその後、期待とは全く違った経過をたどる。イスラエルによるガザ封鎖、ハマスの台頭、自爆テロ、数度にわたるイスラエル軍の侵攻、そしてハマスとパレスチナ主流派・ファタハの対立と武力衝突、そしてハマスによるガザの支配、イスラエルへのロケット攻撃と去年末のイスラエル軍の侵攻・・・パレスチナ和平への期待は何度も生まれ、そしてその夢は蹉跌(さてつ)をきたした。
なぜ、ガザで悲劇は繰り返されるのか。国際社会の支援は、パレスチナに和平をもたらすことができるのか。ジャーナリスト・土井敏邦氏と古居みずえ氏は、パレスチナの変遷を、民衆の視点からつぶさに見てきた。そしてイスラエルが撤退した直後の1月にもガザに入り、被害の状況、民衆の様子、イスラエルの動向、そして和平と復興の行方を取材している。そこにはこれまであまり知られていない、歴史と現実が横たわっていた。 イスラエル撤退後のガザの行く末を考える。
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