米国産牛肉:人権委、デモ参加の6団体に補助金
政府の方針に違反
国家人権委員会(以下、人権委)が、「違法で暴力的なデモを行った団体には、政府の補助金を支給しない」という政府の方針に反し、昨年に米国産牛肉の輸入に反対する違法で暴力的なデモを行った団体に補助金を支給することを決め、論議を呼んでいる。
人権委が先月30日、2009年度の人権協力事業に関する支援の対象に選んだ33の市民団体のうち、昨年「狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)の危険のある米国産牛肉の全面輸入に反対する国民対策会議(以下、対策会議)」に参加した6団体が含まれていたことが、11日明らかになった。問題の団体は、「進歩ネットワークセンター」「若葉の集い」「韓国非正規労働センター」「民主化のための全国教授協議会」「釜山女性会」「全国女性労働組合釜山支部」の6団体。
企画財政部は昨年12月、「違法、暴力的な集会やデモを主催・主導したり、積極的に関与した団体」や「構成員が所属団体の名で違法なデモに積極的に関与し、刑事罰を受けた団体」に対し、補助金の支給を制限するという指針を打ち出し、各省庁や行政機関に通知した。これを受け、各行政機関は警察庁に対し、「違法で暴力的なデモを行った団体」のリストの提供を求め、同庁は今年2月、「対策会議」に参加した1842団体のリストを発表した。
各政府機関は警察庁のリストを、補助金の支給の対象を選定する際の基準とした。行政安全部は今月7日、公益活動支援の対象となる団体を選定した際、警察庁のリストに登載されている一部の団体に対し補助金を支給しない方針を決めた、と発表している。
人権委の関係者は「企画財政部の指針は知っていたが、われわれは団体単位ではなく、個別のプログラムについて審査し、支援の可否を決めているため、警察庁のリストを確認していなかった」と釈明した。その上で人権委は「すでに決定しているだけに、予定通り支援金(1団体当たり800万-900万ウォン〈約63万-71万円〉)を支給する予定だが、該当する団体のメンバーが違法で暴力的なデモに加担した場合は、有罪判決が確定した時点で支援金を返上させる」と話している。
これに対し、企画財政部の関係者は「人権委の行動は、予算の執行における原則や基準に反するものだと言わざるを得ない。今後の監査でこうしたことが明らかになった場合は、責任を問うことになる」と述べた。
ソン・ジャンフン記者
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