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【長野】

県警初、女性の警察犬訓練士 鴨居巡査が「ピース」と訓練

2009年4月22日

パートナーのピースを訓練する鴨居巡査=長野市松代町の県警察学校で

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 “鼻の刑事”として事件捜査を支える警察犬。現在、県警では2人の警察官が専属で警察犬を訓練し、出動に備える。そのうちの一人、鴨居恵里奈巡査(24)は女性初の直轄警察犬の訓練士。事件解決に一役買うことを目指し、訓練に励んでいる。

 警察犬は嗅覚(きゅうかく)が人の3000−6000倍優れていると言われ、神経を研ぎ澄ます分、10年ほどで引退する。訓練士はそれまでに信頼関係を築き、力を引き出さなければならない。

 訓練士3年目の鴨居巡査は警察犬ピース(雄、6歳)を担当。警察学校に入校中だった2005年、グラウンドで鑑識課現場係長の黒瀬忠美警部補(55)の「犬と一体になっている」姿にあこがれ、志願した。

 服従や臭気をたどる訓練のほか、排せつ、食事、夜間の出動。尿や便の色、食事量はもちろん、顔つきや動作から体調を読み取り、常に最良な状態に保つ役割を担う。

 昨年、パートナーだったダーウィン(雄、1歳)を病気で亡くした。一度も一緒に現場出動できなかった。「どれだけ犬を輝かせてやれるか」。自らの責任の重さを痛感したという。

 鴨居巡査は訓練を“自分自身の訓練”と受け止め、「犬から学ぶことは多い」とひたむきだ。動作を観察し、指示の出し方など、より良い方法を追求している。今の目標は「ピースと一緒に現場出動すること」と目標を口にする。

 「鑑識は自分の技量を上げれば通用するが、訓練士は犬を育てていかないと現場で動いてくれない」と黒瀬警部補。30年にわたる経験から訓練士の厳しさを語り、鴨居巡査の成長に期待した。

 (戸川祐馬)

 【警察犬】 県警では1960年に嘱託警察犬を導入、80年からは直轄警察犬も加わる。現在、嘱託警察犬は27頭の体制で、事件現場や行方不明者の捜索などに当たる。2008年の出動は120回。直轄警察犬は主に事件現場に出動している。

 

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